Mark-onは2022年5月31日、個人でも法人でも商用利用可能な人型3Dモデル「ニルナ」の配布を無償で開始した。

では、人型3Dモデル「ニルナ」を手がけるMark-onとはどのような企業なのか、なぜこの人型3Dモデルを無償で配布を開始したのか、今回はそんな話題について触れたいと思う。

Mark-onとは?

Mark-onをご存知だろうか。Mark-onは、2020年3月に設立された企業。東京都板橋区を拠点としている。XRアプリケーション、メタバースに関連するアプリの開発、販売などを手掛ける企業だ。しかしながら、こんな平易な言葉では表現しきれないすごい企業でもある。その理由は、以下を読んでいただけるとご理解いただけるだろう。

CEOである檜山正樹氏は、自社のホームページで以下のような発言をしている。

「Mark-onで創業以来大切にしていることは、“すべての人が手軽に最新技術の恩恵を受けられるように”です。技術を使ってものづくりをするだけではなく、それが広まって誰もが使えるようになるまでが、我々に望まれている姿勢であると考えております。古き良き文化を大切にしつつ、新しい技術で次の世代への橋渡しをしていくことが我々の使命です。次のステージへ皆で進んでいけるよう努めて参ります。」

今回、Mark-onでは、個人、法人を問わずに無料で利用できる人型3Dモデルの配布を開始した。この人型3Dモデルは、「ニルナ」。シンプルなデザインでありながら、ポリゴン数を抑え、軽量化してあり、個人ベースのサービス開発はもちろんのこと、研究開発段階、概念実証段階にも利活用できる。

  • 人型3Dモデル「ニルナ」

    人型3Dモデル「ニルナ」(出典:Mark-on)

では、なぜニルナの無償配布を開始したのだろうか。これは、さきほど上述した、Mark-onのホームページでのCEO檜山正樹氏の言葉にもそれは伺うことができる。

「すべての人が手軽に最新技術の恩恵を受けられるように」

また、Mark-onの創業以来の取り組みにもヒントが隠されている。それを紹介したい。 2021年2月19日、3Dアバター配信アプリ「Luppet」に3Dモデル制作が付いた包括パッケージの販売を開始した。業務提携先のラペットテクノロジーズとの協業で開発したものだ。

キャラクターデザインから、3Dモデル制作のみなど、用途に合わせて3Dモデルを作成することができるのだ。では、このようなパッケージを販売した理由はなんだろうか。昨今のVTuber事情を見て準備に期間や手間を多く感じている企業が多く、手軽にVTuber事業を始められるようにと販売を開始したというのだ。

  • 「Luppet」でのMark-onでのサンプルモデル

    「Luppet」でのMark-onでのサンプルモデル(出典:Mark-on)

また、2021年7月6日に、3DモデルをホームページなどのWeb上に手軽で安全に掲載することができるサービス「Guruddo」(グルッド)を開発している。「Guruddo」は、3Dモデルを手軽に安全にホームページなどのWeb上に掲載するために変換するサービス。

“手軽”、“対応幅の広さ”、“安全性”が揃っていてユーザーは360度のどの方向からでも変換した3Dモデルを閲覧することが可能になる。では、なぜ「Guruddo」を開発し、販売したのだろうか。

まず、今後360度各方向から閲覧をするのはこれからのホームページでは当たり前になってくるという。CADやBIMデータなどデータの盗難が不安視する人や、クライアント先にサンプルを持っていく際に3Dプリンターの形式に変換し印刷して持っていくなどコストがかかっている部分も多く見受けられるためだという。

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■「Guruddo」のデモ

つまり、Mark-onでは、個人や企業が抱える技術的な課題、ビジネス面での課題などを少しでも解消しようと、さまざまなアプリや動画、ゲームといったクリエイティブな活動を支えているのだ。

いかがだっただろうか。他にも、3DモデルのVTuberのオーディションを開催したり、VRスポーツゲーム「Reflect-on」をリリースしたりとさまざまな取り組みを実施しているのだ。個人や企業が進めずらい昨今のXR事業について課題を的確に把握し、そのニーズに的確かつ献身的に答えるその企業の姿勢に感銘を受ける。

ちなみに、以下に、ニルナの動画も配信され、利用規約など詳細が掲載されているのでぜひご覧いただきたい。

人型3Dモデル「ニルナ」の動画