これまで数回にわたって表の作成・編集方法を紹介してきたが、「Wordの表は使いづらい……」と感じている人もいるだろう。そこで、Word文書の中に「Excelワークシート」を埋め込んで、Excelで表を作成・編集していく方法を紹介しておこう。WordよりもExcelのほうが得意であれば、この方法で文書に表を作成してもよい。
Word文書にExcelワークシートを貼り付ける
「Excelなら問題なく表を作成できるけれど、Wordで表を作るとなると、なんか上手くいかない」という人もいるだろう。このような場合は、Word文書の中に「Excelワークシート」を埋め込んでしまう方法もある。
まずは、作成する表がExcelファイルとして保存されているときの操作手順から解説していこう。Excelファイルを開き、文書に掲載する範囲(セル範囲)を選択して「Ctrl」+「C」キーでコピーする。
Word文書に戻り、表を挿入する位置へカーソルを移動してから「貼り付け」→「形式を選択して貼り付け」を選択する。
以下の図のようなダイアログが表示されるので、「Microsoft Excel ワークシート オブジェクト」を選択して「OK」ボタンをクリックする。
すると、選択していたセル範囲を「Excel ワークシート」として文書に貼り付けられる。さらに「ホーム」タブで配置を指定して、貼り付けた表(Excel ワークシート)を「中央揃え」などにすることもできる。
このように、Word文書内に「Excel ワークシート」を埋め込んで表を載せるやり方もあり、もちろん表の編集にも対応している。続いては、「Excel ワークシート」として埋め込んだ表の編集方法を紹介していこう。
貼り付けたExcelワークシートの編集
文書に貼り付けた表(Excel ワークシート)をダブルクリックすると、リボンの表示が以下の図のように切り替わる。Excelに慣れている人なら見覚えのあるリボンのはずだ。
先ほど示した手順でWord文書に埋め込んだ表は「Excelオブジェクト」として管理されている。このため、表の編集もExcelと同じ環境で進めていくことができる。たとえば、文字の書式、配置や列の幅の変更、セルの背景色(塗りつぶし)などの書式指定をExcelと同じ操作で指定できる。
もちろん、「挿入」タブや「数式」タブなどを使用しても構わない。Excelに慣れているなら、こちらのほうがスムーズに表の編集作業を進められるだろう。
Word文書に掲載するセル範囲を後から変更することも可能だ。この場合は、四隅や上下左右にあるハンドルをドラッグして範囲を拡大/縮小し、スクロールバーを使って掲載する位置を上下または左右に移動すればよい。
表の編集作業が済んだら、表の外側をクリックする。すると、Wordのリボン表示に戻り、文書の編集を再開できるようになる。
このように、表を「Excelオブジェクト」として埋め込んでおくと、表の編集だけをExcel環境で操作できるようになる。WordよりもExcelのほうが得意な人は、この方法で表の作成・編集を行うと、効率よく文書を作成できるだろう。
罫線の書式を指定するときの注意点
表を「Excelオブジェクト」として埋め込んだ場合は、罫線の書式に注意しておく必要がある。罫線の書式を指定する方法は通常のExcelと同じで、「罫線」コマンドや「セルの書式設定」を使用すればよい。
ただし、Excelで指定した罫線が必要以上に太くなってしまうことに注意しなければならない。以下の図は、表の罫線に「太線」と「通常の線」の2種類を指定した例だ。
「セルの書式設定」を使って罫線を指定する場合を例に解説していこう。通常、罫線を指定するときは、「通常の線」(左側の一番下)または「太線」(右側の下から2番目)を利用するケースが多いと思われる。一方、Excelで指定可能な「最も細い実線」は、以下の図に示したスタイル(左側の上から2番目)となる。画面上では点線のように見えるが、これが「最も細い実線」のスタイルになる。
罫線が太すぎると感じるときは、表内の「最も細い実線」を上図に示したスタイルで描画するとよい。そして、太線にする部分を「通常の線」(左側の一番下)で描画する。このほうが全体的なバランスがよくなるケースが多い。
このとき少し問題になるのが、画面上では罫線の様子を確認しづらいこと。以下の図は「最も細い実線」と「通常の線」で罫線を描画した表の例だ。「最も細い実線」はグレーの点線のような表示になるため、実際の仕上がり具合を確認しづらい。
印刷プレビューで表を拡大表示したときも状況は同じ。「最も細い実線」はグレーの点線で表示されてしまう。
正確な状況を確認するには、いちどWord文書をPDFに変換して、PDF文書の画面を拡大表示して「罫線の太さ」を確認しなければならならい。
ただし、この方法にも若干の問題が残っている。というのも、文書全体を表示したとき(縮小表示したとき)の「罫線の太さ」は正確性に欠けるからだ。以下の図のように、細い罫線が本来よりも太く表示されてしまうケースもある。
これは「Adobe Acrobat」の初期設定に起因する問題だ。罫線の太さを正確に再現するには、以下の手順で「Adobe Acrobat」の設定を変更しなければならない。
- 「メニュー」から「環境設定」を選択する
- 分類に「ページ表示」を選択する
- 「細い線を拡張」をオフにする
- 「OK」ボタンをクリックする
これで細い線が太く表示される現象を回避できる(それでも細い線が太く表示されてしまうケースがある)。なお、この設定は文書ファイルを対象にしたものではなく、アプリの環境(Adobe Acrobatの設定)を変更するものとなる。
このため、すべてのユーザーが同じ見え方になるとは限らない。たとえば、PDFを受け取った人が初期設定のまま「Adobe Acrobat」を使用していた場合、細い線が太く表示される現象が発生することになる。
リンクとしてExcelワークシートを貼り付ける
話を本題に戻して、Word文書に「Excelワークシート」を埋め込む方法について補足しておこう。Word文書に「Excelの表」を貼り付ける際に「リンク貼り付け」を選択しても構わない。
この場合、元のExcelファイルにリンクする形で「Excelワークシート」が貼り付けられる。別の表現で説明すると、元のExcelファイルで表を編集したときに、その編集結果がWord文書にも自動反映されるようになる。
また、Word文書に埋め込んだ「Excelワークシート」をダブルクリックすると、別ウィンドウでExcelが起動し、「元のExcelファイル」を直接編集する形になる。
Excelで作成した表を「常に最新の状態」で文書に掲載したい場合に活用できるので、こちらの使い方も覚えておくとよい。
Word文書に「白紙のExcelワークシート」を挿入する
作成したい表がExcelファイルとして保存されていない場合は、「白紙のExcelワークシート」をWord文書に埋め込んで表を作成する方法もある。この場合は、Excelワークシートを挿入する位置にカーソルを移動し、「挿入」タブにある「表」から「Excelワークシート」を選択すればよい。
文書に「白紙のExcelワークシート」が挿入される。あとは、データの入力、書式の指定などを行い、表を作成していけばよい。
これまでに紹介してきたように、Word文書に「Excelオブジェクト」を埋め込んで、Excel環境で表を作成・編集していく方法もある。「WordよりもExcelのほうが得意」とか、「Excel関数を使って表を作成したい」といった場合に重宝する機能となるので、ぜひ使い方を覚えておくとよいだろう。




















