Excelには、数値データの「合計」や「平均」などを計算してくれる関数が用意されている。これと同じように、Wordの表でも「合計」や「平均」などを関数で自動算出することが可能だ。今回は、Wordの表に関数(計算式)を入力する方法と、Wordならではの注意点について解説していこう。
合計を求める関数(計算式)の入力
Wordで作成した表でも「数値の合計」を関数で自動計算することが可能だ。具体的な手順を示しながら解説していこう。関数を入力するセルにカーソルを移動し、「テーブル レイアウト」タブにある「計算式」コマンドをクリックする。
すると、以下の図のようなダイアログが表示され、「計算式」を入力できるようになる。たいていの場合、ここには自動設定された計算式が初めから表示されているはずだ。今回の例では、「=SUM(LEFT)」という計算式(関数)が表示されている。この計算式は、左(LEFT)にある数値を合計(SUM)する、という意味になる。
そのまま「OK」ボタンをクリックすると、計算結果である「2,333」という数値が表示される。つまり、左にあるセルの数値(570、1,054、317、292)を合計した結果が表示されたことになる。
このように「Wordの表」でも関数SUMを使用することが可能である。ただし、Excelとは引数の指定方法が異なることに注意しなければならない。Wordでは、LEFT(左)、RIGHT(右)、ABOVE(上)、BELOW(下)のいずれかで引数を指定する仕様になっている。
もちろん、合計を求めるSUM以外の関数も使用できる。この場合は、計算式に「=」だけを残した状態にして「関数貼り付け」から適切な関数を選択すればよい。平均を求める関数AVERAGEなど、多くの関数がWordにも用意されていることを確認できるだろう。
あとは、LEFTやABOVEなどの引数を自分で入力するだけ。これで平均値などを関数で求めることが可能となる。Excel関数に慣れている方なら、すぐに使い方を理解できると思われるので、この機会にぜひ覚えておくとよいだろう。
同じ計算式を素早く入力するには?
ここからは、Word関数を使うときに役立つテクニックやノウハウをいくつか紹介していこう。まずは、同じ関数を何回も入力するときに役立つテクニックだ。Wordにはオートフィル機能がないため、Excelのように手軽に関数をコピーすることはできない。
そこで、オートフィルの代用として使える「F4」キーの活用方法を紹介しておこう。Wordの「F4」キーは、直前に行った操作をそのまま繰り返すショートカットキーとなる。
具体的な操作手順は以下の通り。まずは、先ほど示した手順で1つ目の関数「=SUM(LEFT)」を入力する。続いて、ひとつ下のセルへカーソルを移動して「F4」キーを押す。すると、直前と同じ「=SUM(LEFT)」が自動入力され、その計算結果が画面に表示される。
このように「カーソルを移動してF4キーを押す」を繰り返すだけで、オートフィルと同じような結果を得ることができる。手作業で何回も計算式を入力する必要はない。便利に活用できるテクニックなので、あわせて覚えておくとよいだろう。
計算結果の更新
続いては、Word関数ならではの注意点を紹介していこう。最も注意すべきポイントは、Word関数に自動再計算が装備されていないこと。具体的な例を用いて紹介していこう。
以下の図は、2022年のアメリカのデータを「341」から「1,341」に修正した例だ。ただし、その年の合計となる「2,326」は以前のまま更新されていない。つまり、この計算結果は間違った数値になる。
数値データを修正したときは、関数(計算式)の計算結果を右クリックして「フィールド更新」を選択しなければならない。すると、再計算が実行され、正しい計算結果に更新される。
このように、Word関数の計算結果は「関数を入力した直後」の数値がそのまま維持される仕組みになっている。再計算させるには「フィールド更新」を手動で行わなければならない。この作業を忘れると重大なミスにつながってしまう恐れがある。「自動的に再計算されない」ということを必ず覚えておこう。
どこを更新したらよいか分からないときは、「Ctrl」+「A」キーで文書全体を選択して「フィールド更新」を実行するのも効果的だ。これで、すべての再計算を実行できる(計算式以外のフィールドもすべて更新される)。
計算式の表示と修正
右クリックメニューに用意されている他の項目についても補足しておこう。「フィールド コードの表示/非表示」は、画面に表示する内容(計算結果/計算式)を切り替えるときに利用する。こちらは、入力されている関数(計算式)を確認する場合などに活用できる。
「フィールドの編集」を選択すると、フィールドを編集するためのダイアログが表示される。続けて「計算式」ボタンをクリックすると、「計算式」ダイアログが表示され、計算式などを修正できるようになる。後ほど紹介する「表示形式」を指定しなおす際にも活用できるので、あわせて覚えておくとよい。
その他、覚えておくべき注意点など
これまでに紹介してきた内容のほかにも、Word関数ならではの独自仕様がいくつかある。代表的な例を紹介していこう。
まずは、計算結果を参照する関数の入力だ。以下の図は、各年の合計を関数SUMで算出し、さらに「=SUM(ABOVE)」で5年間の合計を求めた例だ。このように、他の計算結果を参照する関数も問題なく使用できる。
その一方で、参照するセル範囲内に「文字データ」が含まれている場合は注意が必要となる。以下の図に示した例では、2023年のデータに「調査中」という文字データが含まれている。この場合、「356」と「275」だけが関数「=SUM(LEFT)」により合計される数値となる。文字データより左にある「569」は計算の対象にならない。
つまり、文字データが登場した時点で「セル範囲が終了した」とみなされる訳だ。Excelのように「文字データ」や「空白セル」を無視して計算する仕様にはなっていない。この点を間違えないように注意しておくこと。
また、計算結果の表示形式にも配慮が必要となる。以下の図は、各列の数値を「=SUM(ABOVE)」で合計した例だ。この結果をよく見ると、桁区切りを示す「カンマ」の有無がセルによって異なることに気付くと思う。
これらの表示形式は、「参照する数値データにカンマが含まれているか? 」に応じて自動的に変化する。先ほど示した例の場合、「アジア」の列のみ数値データに「カンマ」が含まれている。よって、計算結果も「アジア」の列のみ「カンマあり」になり、他の列は「カンマなし」になる。
こういった表記の不統一を避けるには、計算式の入力時に「表示形式」も指定しておく必要がある。桁区切りの「カンマ」を表示するときは、表示形式に「#,##0」を選択すればよい。すると、すべての計算結果を「カンマあり」の形式で表示できるようになる。
ちなみに、表示形式を指定する「#」や「0」などの記号は、基本的にExcelと同じと考えて構わない。よく分からない方は「excel 表示形式 ユーザー定義」などのキーワードでWeb検索すると、各記号の意味を解説したページを見つけられるだろう。
ということで、今回は「Wordの表」に関数を入力する方法を紹介した。データ表を作成するときに重宝する機能といえるので、ぜひ使い方を覚えておくとよいだろう。ただし、Excelとは仕様が大きく異なる部分もあるので、勘違いしないように十分に注意しながら利用していく必要がある。




















