SmartArtを構成する各図形は、その形状を自由に変更できるようになっている。この機能を使ってSmartArtの見た目やレイアウトを調整することもできる。今回はSmartArtのカスタマイズの応用編として、「図形の変更」コマンドの活用方法を紹介しよう。
SmartArt内にある図形の形状を変更する
まずは、「図形の変更」によりSmartArtのデザイン(雰囲気)を変更する方法から紹介していこう。以下の図は「数式」のレイアウトでSmartArtを作成した例だ。各図形にテキストを入力した後、文字の書式やスタイル、色を変更するカスタマイズを施している。
ここまでの話は前回紹介した通りだ。今回は、SmartArt内にある図形の形状を変更するカスタマイズについて紹介していこう。
図形の形状を変更するときは、図形をクリックして選択し、「書式」タブにある「図形の変更」から“変更後の図形の形状”を選択すればよい。たとえば、以下の図のように操作すると、選択していた図形の形状を「角丸の四角形」に変更できる。
同様の操作を他の図形にも施すと、SmartArtのデザインを以下の図のようにカスタマイズできる。なお、同じ操作を何回も繰り返すのが面倒な場合は、「Shift」キー(または「Ctrl」キー)を押しながら各図形をクリックしていき、複数の図形を同時選択した状態で「図形の変更」を行ってもよい。
もちろん、他の形状の図形にカスタマイズすることも可能だ。以下に、図形の形状を「円柱」や「直方体」に変更した例を紹介しておこう。図形の形状変更により、SmartArtの雰囲気(イメージ)が大きく変化することを確認できるだろう。
このテクニックは、図形内に多くの文字を入力したいときにも活用できる。上図に示した例のように、2〜3文字のテキストであれば「円」の図形のままでも特に問題は生じない。しかし、テキストが5文字以上になると、文字が小さくなりすぎる、適切な位置で改行できない、などの不具合が生じる。この不具合を解消する方法として、図形の形状を「円」→「四角形」に変更する方法を覚えておくと、いざという時に役に立つはずだ。
SmartArtを構成する要素のカスタマイズ
「図形の変更」コマンドは“SmartArtを構成する図形”に対しても利用できる。たとえば、先ほどの例を「人材×戦略=価値」と表現したい場合を考えてみよう。この場合、「+」の図形を「×」に変更するカスタマイズを行えばよい。
もうひとつ例を紹介しておこう。今度は「情熱+技術=品質+信頼」という内容をSmartArtで表現する場合だ。「数式」のレイアウトには「A+B=C」という形で3つの図形が初期配置されている。このままでは図形の数が足りないので「図形の追加」を行う。「品質」の図形を選択し、「後に図形を追加」を実行する。
すると、SmartArtに図形が追加され、「A+B+C=D」という形のレイアウトに変更される。さらに図形を追加したときも同様だ。たとえば、図形の数を5個に増やすと「A+B+C+D=E」という形のレイアウトになる。このように「数式」のレイアウトは「=」の後(右辺)が必ず1つになる仕様になっている。
とはいえ、今回の例で表現したかった内容は「A+B=C+D」という形になるので、このままでは使えない。この問題の解決にも「図形の変更」が活用できる。具体的には「+」の図形を「=」に変更するカスタマイズを行えばよい。
同様の手順で、最後の「=」を「+」に変更すると、以下の図に示したような形にSmartArtをカスタマイズできる。あとは、色の調整などを行うだけ。これで「情熱+技術=品質+信頼」という内容を正しく表現できたことになる。
このように「表現したい内容」と「SmartArtのレイアウト」が少し異なっていても、「図形の変更」で対応できるケースもある。すべてのレイアウトに応用できるテクニックではないが、覚えておくと役に立つだろう。
矢印の向きを反転させる
手順や工程などを示すSmartArtでは、「矢印の向き」が重要な役割を果たす要素となる。このような場合にも「図形の変更」が活用できる。
以下の図は「基本の循環」のレイアウトでSmartArtを作成した例だ。現時点では、「撮影素材 → 音声処理 → クリーン素材 → 映像処理 → (元に戻る)」という構成になっている。
とはいえ、このままでは内容を理解できないSmartArtになってしまう。というのも、実際に説明したかった工程は「循環」ではなく、「分離」と「結合」になるからだ。具体的には、(1)「撮影素材」を映像と音声に分離して、(2)それぞれに色調整やノイズ除去の「処理」を施し、(3)「クリーン素材」として再結合する、という流れになるからだ。
上記の説明に合うレイアウトにするには、「矢印の向き」を逆にしなければならない。この処理にも「図形の変更」が活用できる。具体的には、「右向き矢印」の図形を「左向きの矢印」に変更すればよい。
同様の手順で、左下にある「矢印」の向きも逆にすると、以下の図に示したようなレイアウトになる。これで「分離」と「結合」を示すSmartArtにカスタマイズできた。
状況を理解しやすくなるように、各図形の色もカスタマイズしておこう。たとえば、以下の図のように色を変更すると、より理解しやすいSmartArtになるだろう。
このように「循環」のレイアウトを基に、「分離」と「結合」を表現するSmartArtを作成することも可能である。こういったカスタマイズも行えるようになると、それだけSmartArtの応用範囲が広がるだろう。
なお、今回は「図形の変更」によりレイアウトを調整したが、「図形の回転」でも同じような結果を得ることができる。このとき、「Shift」キーを押しながら回転ハンドルをドラッグすると、15度単位で図形が回転されるようになる。ちょうど180度回転させたいときのテクニックとして、覚えておくと重宝するだろう。
今回紹介した例のほかにも、「図形の変更」によりSmartArtのレイアウトをカスタマイズできる例は沢山ある。最適なSmartArtが見つからなかった場合に、「似たようなレイアウトをカスタマイズして応用できないか?」と考えられるようになれば、SmartArtの利用範囲が広がるはずだ。気になる人は、時間に余裕があるときに色々と試してみるとよい。その経験が、いずれ役に立つかもしれない。



















