この半導体ニュースのまとめ
・カナデビアが舞鶴工場に電子ボード工場を新設し、本格操業を開始
・電子ボードの年間生産能力を2万9000枚から4万9000枚へ約1.7倍に増強
・半導体製造装置や蓄電池、CNT応用製品に向けた生産体制を強化
カナデビアは9月8日、京都府舞鶴市の舞鶴工場に新設した「電子ボード工場」と、先行して操業を開始していた「ユニット工場」の竣工式を行い、本格操業を開始したことを発表した。
投資額は約8億5000万円。半導体製造装置などに用いられる電子ボードの生産能力を増強するとともに、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを用いたバッテリーマネジメントユニットや、カーボンナノチューブ(CNT)を用いたフィルムヒーターなどの組み立て・装置化機能を集約した。
電子ボードの生産能力を年間4万9000枚へ
カナデビアはこれまで、舞鶴工場の「電子機器センター」で電子ボードとユニット製品を、「制御機器センター」で各種制御装置の研究開発と生産を行ってきた。
近年の半導体市場の拡大を受け、電子機器センターの機能を制御機器センターがある区画へ移転・集約するとともに、延べ床面積1122.25m2の電子ボード工場を新設した。
新工場の稼働により、電子ボードの年間生産能力を従来の2万9000枚から4万9000枚へ引き上げる。増強率は約69%で、従来比では約1.7倍となる。
同社の電子ボードは、半導体製造装置をはじめ、鉄道車両や食品工場などで使用されている。半導体製造装置に搭載される電子ボードでは、装置内の機構や電源、各種センサなどを制御する役割を担う。
AI需要を背景に半導体メーカーによる生産能力増強や製造装置への投資が続く中、電子ボードの供給能力を高め、装置メーカーなどからの需要拡大に対応する。
ユニット工場へ組み立て・装置化機能を集約
カナデビアは電子ボード工場と同じ区画にあった第1・第2実験棟を改築し、ユニット工場として整備した。
第1実験棟の延べ床面積は576.69m2、第2実験棟は569.15m2。これまで電子機器センターで行っていたユニット製品の組み立てや装置化を集約し、電子ボードや制御装置の生産機能と連携しやすい体制とした。
ユニット工場では、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを用いたバッテリーマネジメントユニットのほか、独自の垂直配向性CNTシート材「HiTaCa(ヒタカ)」を発熱体とするフィルムヒーターなどを生産する。
バッテリーマネジメントユニットは、蓄電池を構成するセルの電圧や温度、充放電状態などを監視・制御する。再生可能エネルギーの導入拡大に伴って蓄電池の需要が増える中、関連する制御ユニットの供給体制を強化する。
CNTヒーターの半導体製造装置用途も開拓
HiTaCaフィルムヒーターは、垂直方向へ配向させたCNTシート材を発熱体に用いる面状ヒーターである。
東海道・山陽新幹線の台車部において、雪の付着を防止するヒーターとして採用実績を持つ。面全体を加熱できる特徴を生かし、同社は半導体製造装置関連を含む新たな用途への展開も進める。
半導体製造装置では、ウェハや薬液、配管、装置部材などの温度を精密に制御する必要がある。ユニット工場に組み立て・装置化機能を集約することで、CNTヒーターを顧客の装置や用途に合わせた製品へ仕上げる体制を強化する。
電子制御技術を半導体や蓄電池へ展開
カナデビアは、陸上機械事業の拡大に伴って電気・計装制御技術の重要性が高まったことを受け、1950年代から電子制御技術の開発を進め、1975年に電子制御機器事業を始めた後、舞鶴工場を電子制御機器関連の主要生産拠点として、電子ボード、制御システム、映像記録装置などを製造してきた。
今回の設備投資では、電子ボードとユニット製品、各種制御装置の研究開発・生産機能を同一区画へ集約した。製品間の連携と生産効率を高めながら、半導体製造装置、再生可能エネルギー向け蓄電池、CNT応用製品など、成長が見込まれる分野へ電子制御技術を展開する。
カナデビアは、電子ボードの増産とユニット製品の生産集約を通じ、舞鶴工場における電子制御機器関連の供給体制を強化し、半導体、蓄電池、CNT応用製品の需要拡大を取り込んでいくとしている。
