この半導体ニュースのまとめ
・京セラが半導体関連事業の新たな生産拠点「長崎諫早工場」を開設
・2028年度までに約680億円を投じ、2027年春の本格稼働を予定
・2030年度以降に年間250億円の生産を計画し、AIデータセンターなどの需要増に対応
京セラは9月1日、長崎県諫早市に開設した「長崎諫早工場」の竣工式を開催した。
同工場は、京セラが中長期的な成長分野と位置付ける半導体関連事業の主要生産拠点の1つとなる。今後、生産設備を順次導入して製品の生産を開始し、2027年春に本格稼働する予定としている。
半導体製造装置向け部品やパッケージを生産
長崎諫早工場では、半導体製造装置向けファインセラミック部品や、電子機器に搭載される半導体パッケージなどが生産される。
半導体製造装置には、プラズマや薬液、高温環境にさらされる部品が多く、耐プラズマ性や耐熱性、耐食性に加え、温度変化に対する寸法変化が小さい材料が求められる。京セラは、こうした用途に向けてリングやガスノズル、リフトピンなどの細かな部品から、静電チャック、真空チャック、露光装置用ステージ、構造フレーム、塗布装置用ヒーターといった大型のコンポーネントまで幅広く展開している。
一方の半導体パッケージについても、AIデータセンター市場の拡大、先進運転支援システム(ADAS)の高度化、電気自動車(EV)の普及などを背景に需要拡大が見込まれている。
同工場の開設は、そうしたファインセラミック部品と半導体パッケージの供給能力を高めるもので、半導体メーカーや製造装置メーカーなどの需要の高まり対応することが可能になるとする。
2028年度までに約680億円を投資
長崎諫早工場の所在地は長崎県諫早市栗面町で、敷地面積は約15万4000m2。第1工場は鉄骨造6階建てで、建築面積が1万4959m2、延床面積が8万799m2となる。
2024年9月に工事を開始し、2026年9月1日に開設。投資額は2028年度までの計画で約680億円で、2030年度以降に年間250億円の生産を計画している。
京セラは国内外にファインセラミック関連の生産拠点を展開しており、長崎諫早工場は10番目の生産拠点となる。同工場を加えることで、グローバルな生産・供給体制を強化し、顧客に近い地域での技術サポートと安定供給につなげる考えだ。
AIデータセンター市場の拡大に対応
京セラは、AIデータセンターとその周辺ネットワークに向けて、低熱膨張性などのファインセラミックの特徴を武器に、光通信用セラミックパッケージ、電界吸収型光変調器(EML)用セラミックサブマウント、積層セラミックコンデンサ(MLCC)、ASIC用BGAパッケージ、積層基板などを供給することで、その高性能化ニーズへの対応を進めてきた。
長崎諫早工場では、こうした半導体製造技術の高度化とAIデータセンター関連需要の増加を見据え、高付加価値なファインセラミック部品や半導体パッケージの生産を拡大していくこととなり、同社でも同工場での生産活動を通じて、グループとして半導体関連事業を中心とした成長を図っていくとともに、地域雇用の創出や長崎県内の産業振興にも貢献し、長崎から世界へ向けて高付加価値製品を供給していくとしている。

