この半導体ニュースのまとめ

・ADIが半導体製品の評価機能を統合した「Evaluation Studio」を発表
・対応する評価用ボードの設定、測定、可視化、分析を単一環境で実行可能
・MCPサーバを内蔵し、AIアシスタントによる評価支援や自動化にも対応

Analog Devices(ADI)は8月25日(米国時間)、同社製品の設定、制御、評価、可視化、分析を1つの環境に統合したデスクトップ・アプリケーション「Evaluation Studio」を発表した。

半導体の評価では、製品ファミリや評価用ボードごとに異なるアプリケーションが必要になるケースがあり、複数のソフトウェアの導入や更新、操作方法の習得が評価作業の負担となっていた。

Evaluation Studioは、こうした分断された評価環境を共通プラットフォームへ統合することで、ハードウェアのセットアップから測定結果の分析までを1つのアプリケーションで行うことを可能としたという。

評価用ボードを自動検出して必要な機能を提供

Evaluation Studioは、対応するハードウェアの自動検出と統合されたプラグイン管理機能を備える。接続された評価用ボードを検出し、そのデバイスに必要な操作・評価環境を提供することで、ソフトウェアの選択や初期設定にかかる時間を短縮する。

  • Evaluation Studioの操作画面

    Evaluation Studioの操作画面 (出所:ADI)

高精度コンバータ、電源ソリューション、センサなど、製品ファミリごとに個別の評価アプリケーションを管理するのではなく、対応する評価用ボードの設定、測定、分析、可視化を同一のユーザーインタフェースから実行することができる。

モジュール・アーキテクチャを採用することで、共通のフレームワーク上にデバイスごとの機能をプラグインとして追加することができ、ADIの製品ポートフォリオや評価要件の変化に応じて、対応製品や機能を拡張できる構成となっている。

  • Evaluation Studioのホーム画面

    Evaluation Studioのホーム画面 (出所:ADI)

データ分析からレジスタ操作まで単一環境で対応

また、デバイスの基本設定に加え、測定データの可視化、データ・ロギング、分析、レジスタ・レベルの操作にも対応することから、エンジニアは、デバイスの基本性能を確認する評価と、レジスタの設定値や取得データを詳細に調べる作業を、ツールを切り替えずに実行することができるとするほか、自動化機能とオープンなインタフェースも備えており、評価条件を統一した反復試験や、結果を再現可能な検証ワークフローの構築を可能としている。

こうした機能は、個別デバイスの動作確認だけでなく、複数の半導体や評価用ボードを組み合わせたシステムレベルの評価にも対応できるプラットフォームへ拡張することで、評価から製品開発への移行を迅速化する狙いのもとに開発されたとする。

MCPサーバ内蔵でAI支援型ワークフローに対応

このほか、Evaluation Studioには、AIアシスタントと外部ツールを接続するためのModel Context Protocol(MCP)サーバも内蔵している。

機能が有効化されている場合、対応するAIアシスタントは、Evaluation Studioが持つデバイス情報や評価環境のコンテキスト、実行可能な操作を参照できるようになり、これにより対話形式で評価手順を案内するガイド付き評価や、設定・測定作業の自動化、複雑なハードウェア・システムの操作支援などに発展させることが可能となる。

MCPへの対応は、AIをエンジニアによる評価作業やツール操作を支援するための基盤として活用することにつなげるものとなることもあり、同社では今後、Evaluation Studioを自社製品の評価における共通プラットフォームとして拡張し、設定から分析、自動化までの一連の作業を効率化していくとしている。