この半導体ニュースのまとめ
・TOTOがセラミック事業の研究開発加速に向けて茅ケ崎工場敷地内に新棟建設を決定
・投資額は約170億円で高機能な次世代品の研究開発を推進
・製造子会社ののTOTOファインセラミックスへの増産投資も実施
TOTOは、システムトイレの製造拠点であり、研究開発拠点でもある神奈川県茅ケ崎市の茅ヶ崎工場敷地内にセラミック事業の研究開発を加速することを目的とした研究開発棟を新たに建設する。この投資は2026年4月30日に同社が発表した「セラミック事業の成長投資を加速」させる2028年度までに約300億円の設備投資を行う取り組みの一環であり、約170億円の投資が行われる予定である。
新設される新研究開発棟は、建築面積2,800m2、延べ床面積10,600m2、4階建鉄骨造りで、セラミック事業の主力製品で、静電気の力を利用して、シリコンウェハを製造装置のウェハステージ上に固定するセラミック製の精密部品である「静電チャック」および、エアロゾルデポジション(AD)法を用いて、金属などの基材表面に緻密なセラミック膜をコーティングした高機能部材であり、半導体製造装置の内部などで、部品の長寿命化やパーティクルの抑制のために採用される「AD部材」の研究開発体制の強化を目的として2026年12月に着工、2028年4月の竣工を予定している。
半導体の高性能化は、その生産に持ち答える半導体製造装置のキーパーツである静電チャックやAD部材にも高機能化を求めるようになっている。同社は、新研究開発棟を活用し、現行品よりも高機能な次世代品の研究開発を加速させるとともに、試作品の製造ラインを拡張することで開発のスピードアップを実現するとしている。
売り上げ比率は1割未満ながら全利益の5割超を占めるセラミック事業
TOTOのセラミック事業(半導体製造装置向け部材事業)は、2026年3月期の売上高は全体の約9%ほどにとどまる一方、営業利益は全体の約51%を占めるほどの高収益事業となっており、同社でもセラミック事業への注力姿勢を見せている。同年度の全体営業利益率は7%であるが、セラミックス事業だけで見ると43%と突出している。衛生陶器の開発で培った高度なセラミック加工技術を活かし、AI・半導体需要の拡大に伴う静電チャックなどの出荷が急増していることが背景にある。
静電チャックの研究開発は茅ケ崎で、製造は中津と豊前で
セラミック事業は、研究開発を茅ヶ崎工場、製造を大分県中津市にある子会社のTOTOファインセラミックス本社・中津工場および福岡県豊前市のTOTOファインセラミックス豊前工場で行っている。増産に備えた豊前のセラミックス焼成棟は2027年1月に竣工予定で、同社は2028年度までに茅ヶ崎工場・中津工場・豊前工場の3拠点に対して約300億円の設備投資を行う計画で、将来的なさらなる増産に向けた投資計画も構想している模様である。
100年以上の歴史を持つ祖業の衛生陶器をはじめとする知見の蓄積が、セラミック事業における最先端の研究開発を支える強固な基盤となっている。TOTOはこれからも水まわりを中心とした住設事業と、半導体産業に寄与するセラミック事業とのシナジーにより、快適な未来社会と経済的成長の実現を目指すとしている。




