Intel(インテル)が復活の兆しを見せているが、その要因の1つにDonald Trump(ドナルドトランプ)米政権の支援があるという。

Appleの一部チップ製造にインテルの工場を活用

トランプ政権は同社への財政的・戦略的支援に加え、Apple(アップル)、NVIDIA、イーロン・マスク氏のSpaceX(スペースX)など主要な潜在顧客・パートナー企業に対して、働きかけを行ってきたという。

実際、これらの企業は政府によるインテルへの出資表明以降、相次いで同社との提携契約を締結している。

その1社であるAppleのTim Cook(ティム・クック)氏は昨夏、半導体輸入品への100%関税計画の撤回を求めてトランプ政権と交渉を重ねていた際、大統領とHoward Lutnick商務長官から、Appleの一部チップ製造にインテルの工場を活用するよう要請を受けていたという。

米政府関係者によると、この関税交渉とアップル・インテル間の提携交渉の関連性が明らかになったのは今回が初めて。関係者によれば、アップルはMacノートパソコンおよびiPhone向けの両方でIntel製チップの採用を計画しているという。

資金注入がなければ、設備投資を大幅に削減せざるを得なかった

米政府は2025年、90億ドル規模の連邦補助金をインテル株式の10%相当に転換し、同社の筆頭株主となっている。この政府出資に加え、NVIDIAによる50億ドルの出資、そしてソフトバンクが同年8月末に投じた20億ドルも、インテルにとって重要な資金源となった。

インテル幹部によれば、これらの資金注入がなければ、過去1年間で設備投資を大幅に削減せざるを得なかったという。Intel CEOのLip-Bu Tan氏は2025年3月の就任以来、月に一度のペースでワシントンを訪れ、商務省当局者と面会しているとのこと。また、トランプ政権の半導体政策責任者であるBill Frauenhofer氏とも定期的に連絡を取り合っているという。

インテルのファウンドリー事業は過去4四半期で104億ドルの営業損失を計上したという。同社が4月に発表した四半期決算では、データセンター向けCPU売上が前年比22%増の51億ドルとなった。

需要の高まりを示す事例として、Alphabet傘下のGoogle CloudがXeon CPUの大量発注を4月に発表したことにも触れている。Google CloudでAI・コンピューティングインフラ部門を統括するMark Lohmeyer副社長兼ゼネラルマネジャーは、Tan氏が進めた顧客対応やカスタマイズ要求への体制改善が、Intelへの信頼向上につながったと述べている。一方で、同四半期の純損失は37億ドルにのぼることも指摘している。

Cato InstituteのScott Lincicome氏は「政権のお気に入りでいられるのは、業績が好調な間だけだ」と指摘し、業績が悪化した場合のリスクに言及している。Wall Street Journalが7月10日付で報じている。