この半導体ニュースのまとめ
・TSMCの2026年6月売上高は前月比6.2%増、前年同月比67.9%増の約4426億8000万NTドル
・2026年1~6月累計売上高は前年同期比35.6%増の約2兆4044億8000万NTドルに拡大
・AI/HPC向け先端プロセス需要が引き続き旺盛で、2026年第2四半期売上高も高水準となった
6月売上高は4426億8000万NTドル、前月比6.2%増
TSMCは7月13日、2026年6月の月次売上高を発表した。それによると、連結ベースの売上高は約4426億8000万NTドルとなり、2026年5月の約4169億8000万NTドルから6.2%増加した。前年同月比では67.9%増となり、引き続き高い成長率を維持している。
2026年5月時点でもTSMCの月次売上高は前年同月比30.1%増、前月比1.5%増と好調を維持していたが、6月はそこからさらに伸びた形となる。AIサーバ向けGPUやAIアクセラレータ、カスタムASICなど、HPC/AI向け先端ロジック需要が継続していることが背景にあるとみられる。
上期累計は2兆4044億8000万NTドル、前年同期比35.6%増
2026年1月から6月までの累計売上高は約2兆4044億8000万NTドルとなり、前年同期比で35.6%増となった。2026年1~5月の累計売上高は約1兆9618億NTドルであったため、6月単月の売上高が上期全体の成長をさらに押し上げたことになる。
すでに同社は、2026年第1四半期決算で売上高・純利益ともに過去最高を更新しており、連結売上高は前年同期比35.1%増の1兆1341億NTドル、純利益は同58.3%増の5724億8000万NTドルを記録していた。今回の上期累計売上高から単純計算すると、2026年第2四半期の売上高は約1兆2704億NTドル規模となり、第1四半期からさらに増加したことになる。
先端プロセス需要が高水準で推移
TSMCの成長を支えているのは、AI/HPC向けを中心とした先端プロセス需要である。2026年第1四半期決算では、3nmプロセスが売上高の25%、5nmが36%、7nmが13%を占め、7nm以下の先端プロセスだけで売上高全体の74%に達していた。
最終用途別では、HPC向け売上高が前四半期比で20%増となり、売上高全体の61%を占めていた。スマートフォン向けが26%であったことを踏まえると、TSMCの売上構成はすでにHPC/AIを中心とした構造へ大きくシフトしている。
生成AI、推論需要、エージェンティックAI、フィジカルAIといった用途の拡大に伴い、先端ロジック、HBMを接続する先端パッケージング、電力効率の高いチップ設計への需要はさらに高まっている。TSMCは、N2、N2P、A16、A14、A13などの先端プロセスに加え、CoWoSやSoICといった3DFabric技術を拡充しており、AIインフラ投資の拡大を取り込む体制を強化している。
第2四半期ガイダンスの上限付近で推移か
TSMCは2026年第1四半期決算時点で、第2四半期売上高についてドルベースで390億~402億ドルを見込むとしていた。今回、4~6月の売上高が約1兆2704億NTドル規模となったことで、同社の第2四半期業績は高水準で着地する見通しとなった。
為替前提などによってドル換算の数値は変動するが、少なくともNTドルベースでは第1四半期を上回る売上規模となっており、AI需要が同社の業績を引き続き押し上げていることが確認された形だ。
一方で、TSMCは2nmプロセスの量産立ち上げに伴い、2026年通年の粗利率を2~3%押し下げる可能性があることも示している。先端プロセスの需要は強いものの、次世代プロセスの立ち上げ期にはコスト負担も発生するため、今後は売上成長と利益率のバランスも注目される。
2026年通期もAI需要が成長をけん引
TSMCは2026年通期について、AI関連需要が依然として根強く、ドル基準で30%を超える成長を見込むとしている。また、2026年の設備投資額は520億~560億ドルとされ、そのうち70~80%を先端プロセス技術の開発・製造に充てる計画としている。
2026年6月の売上高が前月比・前年同月比ともに大きく伸びたことは、AIサーバやデータセンター向けの投資が、少なくとも足元では高水準で続いていることを示すものといえる。特に、先端ロジックを安定的に量産できるファウンドリへの需要は限られており、TSMCへの依存度は引き続き高い。
TSMCは5月時点で世界時価総額ランキングのトップ10入りも果たしており、AIインフラを支える中核企業として市場での存在感を高めている。6月売上高の大幅増は、そうした評価を裏付けるものとなる。今後は、第2四半期決算で示されるプロセス別、用途別、地域別の売上構成を通じて、AI需要の広がりと先端プロセス比率のさらなる変化が焦点となりそうだ。
