このFPD関連ニュースのまとめ

・Omdiaが2026年上期の大型ディスプレイ出荷数量が前年同期比3%増になると予測
・テレビ、モニター、ノートPCなど主要用途で一定の需要回復が見込まれる一方、成長率は限定的とみられる
・2026年下期は最終需要や在庫、価格変動への警戒から、パネルメーカーは保守的な生産姿勢を維持する見通し

英Omdiaのディスプレイ調査担当ディレクタでFPD市場調査統括責任者のデビッド・シェー(謝勤益)氏は、2026年7月に東京で開催予定の「ディスプレイ産業フォーラム」に先駆ける形で、2026年の大型ディスプレイの出荷台数に関する見通しについて見解を発表した。

それによると、パネル価格の安定とブランドおよびOEMによる在庫の積み増しに支えられ、2026年上半期の大型ディスプレイ出荷台数は前年同期比3%増の4億6610万台に達すると予測されるという。また、2026年下半期については、有機EL(OLED)需要が増加する一方、液晶パネルの出荷台数が減少することが予測され、パネルメーカー各社は慎重な生産計画を維持しているとする。

ちなみにOmdiaの定義する大面積ディスプレイは、Mini LEDおよびMicroLED TVディスプレイを除いた10~130インチのフラットパネルディスプレイ(FPD)を指す。主要なパネル技術としてはOLED、a-Si TFT、LTPS TFTおよび酸化物TFTで、PC、TV、タブレット、公共/産業用など幅広く活用されている。

パネル価格の安定性と顧客企業の調達戦略

従来、大型ディスプレイの出荷量を決定要因は主に価格で、価格弾力性の高さが家電メーカーの購買量増加を促してきた。近年も、価格弾力性は弱まっているものの、PCやTVのブランドおよびOEMは、パネル価格を購買発注量調整の重要要素とみており、安値で買う動きを維持している。

2026年上半期のパネル価格は若干の変動はあったものの、比較的安定状態が維持された。例えば液晶モニタおよびノートPC用液晶ディスプレイの価格は月間1~2%の範囲の変動に留まり、安定調達を下支えした。

2026年上半期に大型ディスプレイ市場の成長を牽引した主な要因としては、メモリの供給不足の影響をあまり受けておらず、パネル購入者は価格が安定しているうちに大量の受注を確保し、自社の製品販売の年間目標を支えるための在庫の積み増しを進めたこと、ならびに下半期の世界的なスポーツイベントなどに向けたテレビ分野の半組み立て状態のオープンセルの在庫確保も進んだこと、液晶TV分野では、パネルメーカーが大口購入のブランドやOEMに対して特別なリベートやマーケティング開発資金(MOF)の提供などの販促活動が行われたことが挙げられるという。

2026年下半期の出荷量は減少予測

2026年下半期について、パネルメーカー各社は慎重な姿勢を見せており、一部は「パネル価格の下落」、「稼働率の低下」、「出荷量の減少」の3つの減少要因を予測している。

そのため、Omdiaでも下半期の出荷台数を前年同期比7%減の4億5080万台と控えめな予測を出している。

  • 用途別大型ディスプレイ出荷台数

    表1:用途別大型ディスプレイの出荷台数(百万台) (出所:Omdia、以下すべて)

ただし、技術別では液晶パネルが減少する一方、OLEDは主にモニタやノートPC向けを中心に堅調な成長傾向を示すと予測している。

  • 用途別大型液晶ディスプレイの出荷台数

    表2:用途別大型液晶ディスプレイの出荷台数(百万台)

  • 用途別大型OLEDの出荷台数(百万台)

    表3:用途別大型OLEDの出荷台数(百万台)

また、パネルサイズについては、テレビの大型化傾向が続くことが予想され、2026年上半期は出荷面積が同5%増の1億2810m2と拡大するとする一方、下半期は出荷台数の減少の影響で同2%減の1億2580m2となると予測している。

  • 表4:用途別大型ディスプレイの出荷面積

    表4:用途別大型ディスプレイの出荷面積(百万m2)