Microchip Technologyは、同社のデジタル・シグナル・コントローラ(DSC)「dsPIC33A」ファミリとして、高分解能制御、高速アナログ、セキュリティ機能を統合し、耐量子暗号をサポートした「dsPIC33AK256MPS306ファミリ」を追加したことを発表した。

  • 「dsPIC33AK256MPS306」

    「dsPIC33AK256MPS306」のパッケージ外観 (出所:Microchip)

AIデータセンターの電源とリアルタイム制御の交点

同製品ファミリは、倍精度FPU(浮動小数点ユニット)を搭載した200MHz動作の32ビットコアをベースに、78psの高分解能PWM(パルス幅変調器)や複数の40MSPS 12ビットADC(A/Dコンバータ)、5nsの高速コンパレータ、スロープ補償機能付きDAC(D/Aコンバータ)を内蔵。これらの機能により、高効率DC/DCコンバータ、補助電源レール、インテリジェント センシング設計に向けた高速かつ決定論的な制御ループを構築することができるとするほか、SiCやGaNパワー半導体を用いた高スイッチング周波数で動作するシステムにも適しているとする。

制御・アナログ・セキュリティを統合する設計思想 を採用

同社が強調しているのは、ユーザーの関心が個々の部品の選定から、システム全体をいかに早く、確実に立ち上げられるかという点へと移って行っており、そうしたニーズに対応することを目的に同製品ファミリは幅広い制御機能やアナログ機能、セキュリティ機能をチップレベルで統合したという。

また、サイバーセキュリティ要件の高まりに対応することを目的に、セキュアブート、セキュアファームウェア更新、セキュアデバッグを実装するためのハードウェアセキュリティ機能に加え、CNSA Suite 2.0で推奨される耐量子暗号(PQC)アルゴリズムのライブラリもサポート。加えて、OCP(Open Compute Project)電源などで求められる暗号処理を想定したハードウェアアクセラレーションも内蔵したとする。さらに、ライブアップデート機能をサポートしており、最新のサーバー設計で求められている中断のないフルサイクルファームウェアの更新も可能だという。

幅広い産業/車載モータ制御用途に対応

dsPIC33Aコアのアーキテクチャは、三角関数(サイン/コサイン)を20nsで実行できる点が特徴で、位置制御やFOC(界磁制御)といった高応答モータ制御アルゴリズムの実装を支援することが可能で、同製品ファミリではBiSS‑C(双方向シリアル同期)、EnDat、EnDat、直交/光学エンコーダ、レゾルバに対応する機械式モータ フィードバックインタフェースを備えていることから、産業用や車載用途に幅広く対応するという。

また、I3Cをはじめ、CAN FD、LIN、SPI、I2C、SENTといった通信インタフェースを搭載。高度に統合されたアナログ機能との相乗効果によって、高分解能で正確なリアルタイム制御ループを実現できるためモータ制御アルゴリズム全体の性能向上を可能とするとしている。

なお、同製品は機能安全として車載向けのISO 26262および産業用のIEC 61508に準拠して開発されており、セーフティクリティカルなシステムの認証取得を効率化することが可能。将来的には、最大150℃動作に対応する車載グレード認定の取得も予定されている。

すでに量産出荷が開始されており、単価は1.20ドルとしている。