ソニーセミコンダクタソリューションズは、スマートフォンなどのモバイル機器では大判サイズとなる1/1.12型で、有効約2億画素のCMOSイメージセンサー「LYTIA 901」を商品化すると11月27日に発表。単眼カメラで高倍率ズーム時も高精細・高画質を維持できる仕組みを盛り込んだ。

  • LYTIA 901

    LYTIA 901

高解像度と高感度を両立する「Quad-Quad Bayer Coding配列」(QQBC配列)という方式を採用し、さらにAI技術を活用した画像処理回路をセンサー内に実装。単眼カメラ(シングルレンズ)で最大4倍の高倍率ズーム時も、高精細な画質を維持し、モバイルカメラによる撮像に新たな体験価値を提供するとアピールしている。

LYTIA 901の概要

0.7µmの画素ピッチを採用した1/1.12型(対角14.287mm)のCMOSイメージセンサーで約2億画素を実現。画素構造やカラーフィルターの進化により、飽和信号量を増大させ、ダイナミックレンジの向上に寄与するとしている。

約2億画素の高解像度を最大限に生かすために採用したQQBC配列は、隣接する16(4×4)画素を同色のカラーフィルターで構成したもの。

通常撮影時は、隣接する16画素の信号をひとつの画素相当として扱うことで、夜景や室内撮影などにおいても高い感度を維持する。またズーム撮影時には、配列変換処理(リモザイク)で通常の画素配列に戻すことで、高い解像感を保った撮影を追求する。 

LYTIA 901の大きな特徴が、モバイル用CMOSイメージセンサーとして業界初となる、「AI学習型リモザイク」処理回路のセンサー内実装。QQBC配列を通常の画素配列に戻す処理を担う回路で、一般的には再現が難しい高周波成分の信号処理を可能にし、細かい模様や文字などの微細な描写で高い再現性を発揮。さらに、この技術をセンサー内に搭載したことで高速に処理でき、4K解像度で4倍ズームまでの動画を最大30fpsで撮影できるという。

最大フレームレート(全画素AF)は以下の通り。

  • 200M(4:3):10 fps (Full RAW)
  • 50M(4:3):30fps (2x2 Bin)
  • 12.5M(4:3):60 fps (2x2 Bin Crop, AD12 split-HDR / 4x4 Bin, DCG-HDR or LBMF​)
  • 8K4K(16:9):30fps (2x2 Bin)
  • 4K2K(16:9):120fps (4x4 Bin​)

HDR(ハイダイナミックレンジ)機能の強化もポイント。

4倍までのズーム全域にわたり高いダイナミックレンジと階調表現を追求した「DCG-HDR」(Dual Conversion Gain-HDR)技術と「Fine12bit ADC」というふたつの技術を装備しており、異なるゲイン設定で読みだしたデータを合成するシングルフレームでのDCG-HDR技術と、分解能を従来の10bitから12bitに向上させたFine12bit ADC(ADコンバーター)技術を盛り込むことでこうした描写・表現を実現する。

また、従来のHDR技術からダイナミックレンジを大幅に向上させ、16画素加算モードにおいて100dB以上という高ダイナミックレンジ性能を追求した「HF-HDR」(Hybrid Frame-HDR)技術も装備。前出のDCGデータに、短時間露光で撮像したフレームを後段のアプリケーションプロセッサーで合成するHDR技術で、明暗差の大きなシーンの撮影において暗部の黒つぶれだけでなく、明部の白飛びも大幅に抑え、「肉眼で見る光景により近い撮像を可能にする」としている。

仕様面では、電源電圧はアナログ2.8V/1.8V、デジタル0.82V、インタフェース1.8V or 1.2V。出力インタフェースはMIPI C-PHY 2/3 trio, Max. 6.0 Gsps/trio、またはMIPI D-PHY 2/4 lane, Max. 2.5 Gbps/lane。

なおソニーセミコンダクタソリューションズでは、LYTIAブランド認知向上のため、同ブランドのもとで展開する新製品「LYTIA 901」以降の全製品を「LYTIA (製品番号)」に切り替えて運用していく。