宇宙航空研究開発機構(JAXA)、三菱重工、内閣府は、H3ロケット8号機による準天頂衛星システム「みちびき5号機」の打上げ日を12月7日に決定した。打上げの予定時間帯は11時30分~12時30分で、予備期間は12月8日~2026年1月31日。種子島宇宙センター 大型ロケット発射場から打上げる。

  • 写真は、2025年2月のH3ロケット5号機の打上げの様子 <br />(C)JAXA

    写真は、2025年2月のH3ロケット5号機の打上げの様子
    (C)JAXA

  • 2025年2月に打上げられた、準天頂衛星システム「みちびき」6号機(QZS-6)のフライトモデル(2024年、三菱電機 鎌倉製作所にて編集部撮影)

    2025年2月に打上げられた、準天頂衛星システム「みちびき」6号機(QZS-6)のフライトモデル(2024年、三菱電機 鎌倉製作所にて編集部撮影)

みちびきは、日本とアジア・オセアニア地域に特化した、日本政府が保有・運用する衛星測位システム(Regional NSS)で、測位・時刻(PNT)と災害・危機管理メッセージのサービスを提供中。

衛星の数をこれまでの4機体制から7機体制へと増強する計画が進行中で、2025年2月には6号機を打ち上げ済み。今回打上げが決まった5号機に続き、7号機も2025年度中に打上げを予定しており、7機体制での運用開始は2026年度を見込んでいる。

7機体制では、4機の準天頂軌道衛星が順に日本上空を訪れるよう軌道投入することで、常に1機以上の準天頂軌道衛星が高い仰角から品質の良い信号を送信できるようになる。今後さらに、バックアップ強化と測位エリア拡大のため、将来の11機体制に向けた検討・開発にも着手している。

  • 1/32スケールのみちびき 6号機の模型

    1/32スケールのみちびき 6号機の模型

  • みちびきが提供するサービスの概要

    みちびきが提供するサービスの概要

みちびき5~7号機は「高精度測位システム」を搭載している点が、現行の初号機後継機や2~4号機との違いだ。衛星同士で測距信号をやりとりする「衛星間測距機能」と、地上局との間で測距信号を交わす「衛星/地上間測距機能」が加わることにより、ユーザーがより正確に測位できる仕組みを実現する。

  • 高精度測位システムの概要

    高精度測位システムの概要

同システムは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が内閣府からの受託事業として実施するもので、今後5~7号機を使って高精度測位システムを開発・実証。実証運用期間は7号機打上げ後、3年間を予定している。

JAXAでは、将来すべての準天頂衛星に両機能が搭載されれば、ユーザ測位精度は飛躍的に向上するとしており、みちびき対応スマートフォンで高精度測位システムを活用できるようになれば、将来的には測位精度を1mまで高精度化できると説明している。

  • 衛星間測距、衛星/地上間測距機能の概要

    衛星間測距、衛星/地上間測距機能の概要