2024年のデータセンター半導体市場は2090億ドル
Yole Groupが発行した「Data Center Semiconductor Trends 2025(データセンター半導体トレンド2025)」によると、2024年のデータセンターの各関連市場規模はテック業界全体で5兆2500億ドル、データセンターが3000億ドル、サーバーが2450億ドル、データセンター用半導体が2090億ドルであったという。
また、サーバー用半導体市場の内訳は、ロジック1310億ドル、メモリ760億ドル、オプト/センサ17億ドル、パワー/アナログ5億ドルとしている。
データセンター半導体市場は、2024年の2090億ドルから2030年までに4930億ドルに成長するとYole Groupは予測している。
中心はGPUで、2024年の1000億ドルから2030年には2倍以上の2150億ドルに成長すると予想されるほか、AI ASICも急成長しており、ハイパースケーラーが垂直統合とコスト管理を追求するにつれて、2030年には845億ドルに達すると予想している。
AIインフラはNVIDIAが優位も、追随各社が市場シェア拡大を狙う
AIサーバー市場は急成長しており、2020年にはサーバー全体の数%であったものが、2024年には10%を超えた。また、2026年以降は横ばいになり、2030年まで安定して成長する見込みである。その結果、データセンター半導体は半導体市場全体の50%ほどを占めるようになると予想されている。
もっとも成長するのは主流であるロジックで、2番目の市場であるHBMはAIとHPCの高スループット要件を満たすために急速に成長していくことが期待されている。また、NVIDIAやBroadcomなどが推進するフォトニクスとコパッケージドオプティクス(CPO)の拡大は、サーバーアーキテクチャにも変革をもたらし、フォトニクスだけでも2030年までに数十億ドル規模に達すると予測される。
さらに、データセンター全体の電力効率向上に向けて液冷が必須となってきており、その市場規模は2030年までに10億ドルを超すと予想されるほか、熱や環境制約の高まりに伴い、センサインテリジェンスのニーズが高まりを見せるなど、さまざまな半導体が活用され、データセンター半導体向けシリコンウェハは2030年までに2000万枚を超すと予想され、そのほとんどが28nmプロセス以下で製造される見込みだとする。
なお、Yoleでは現在、NVIDIA、AMD、Intelなどの米国企業が優勢だが、中国が戦略的な投資と政策を通じて中国内の能力を強化していると指摘しており、米国政府による輸出規制はサプライチェーンに引き続き影響を与えているが、中国国内外における国家開発目標の強化にもつながっているとするほか、スタートアップ企業や新規参入企業も市場形成に絡んでおり、Groq、Cerebras、Tenstorrentなどの企業のチップ設計におけるイノベーションは、AI推論ハードウェアの可能性の限界を押し広げつつあり、そうした革新的なソリューションがコスト、パフォーマンス、あるいはエネルギー効率において既存企業に挑む可能性を指摘している。



