日本製半導体製造装置の2025年度販売高は4兆8624億円の予測

日本半導体製造装置協会(SEAJ)は7月3日、日本製半導体製造装置の2025年度から2027年度にかけての需要予測(販売高予測)を発表した。

それによると、2025年度は、ロジックならびにファウンドリの投資に一部で減速感がみられるものの、台湾のファウンドリにおける2nmプロセス(GAA)に対する投資の本格化、ならびに韓国におけるHBMを中心としたDRAMへの投資の底堅さにより前年度比2%増の4兆8634億円と予測されるとする。

前年度比の伸び率が2%に留まるのは、2024年度が2025年1月時点の予測値として示していた20%増に対して、実績が同29%増まで上振れした影響から、横ばいから微増程度に留まるとの見通しのためだという。

また、2026年度については台湾以外の地域、特に年後半には日本でも2nmプロセスの量産に向けた投資が期待されるほか、DRAM投資に加えて、NANDの300層以上の世代に向けた投資などによる伸びが期待されることから、同10%増の5兆3498億円。2027年度もAI関連の需要がAIサーバからエッジ領域へと拡大することが期待されることを背景に同3%増の5兆5103億円と予測している。

  • 日本製半導体製造装置の販売高予測

    日本製半導体製造装置の販売高予測 (出所:SEAJ)

投資のけん引役は引き続きAI関連

半導体デバイス市場そのものの2025年の市場予測としては世界半導体市場統計(WSTS)が6月に春季予測を発表済み。それによると、前年比11.2%増の7009億ドル、2026年も同8.5%増の7606億ドルと予測されるという。

半導体市場の好不況の影響が出やすいメモリ関連については、2025年春ごろからDRAM、NANDともに単価が上昇基調に転じているものの、米国の関税政策に対する前倒し発注もあることから、引き続き注視する必要があるとされるなど、米国政府のよる関税政策の動向の不確実性などもあり、先端プロセスを活用したロジック半導体はAIを中心に、ハイエンドスマートフォンへの活用など堅調だが、車載ならびにパワー半導体の需要には慎重な見方が多く、これらの市場の本格的な回復は2026年以降となる可能性があるとする。

日本市場の2025年度成長率は同15%増の予測

日本市場に対しては、2025年度については車載ならびにパワー半導体関連は落ち込むものの、NANDならびにDRAMに対する先端投資が進むことから、同15.0%増の1兆4399億円と予想されるとする。

2026年度もメモリ分野の投資が堅調なほか、大手ファウンドリの第2期投資やCMOSイメージセンサ向け投資、さらに年後半には2nmプロセスの量産に向けた先端投資も開始されることが期待されるため、同22%増の1兆7567億円。2027年も高い水準で投資が継続されることが見込まれることから、同5%増の1兆8446億円と予測されるという。

  • 日本市場の半導体製造装置販売高予測

    日本市場の半導体製造装置販売高予測 (出所:SEAJ)