ASMLが4月16日、2025年第1四半期(1〜3月)の決算を発表した。
高NA EUVが売り上げの増加に貢献
それによると、同四半期の売上高は前年同期比46%増の77億4200万ユーロ、純利益は同92%増の23億5500万ユーロ、粗利益率は54%となった。また、同四半期には5台目の高NA EUV露光装置の出荷を行い、3社の顧客への導入を済ませたという。1台あたり3億5000万ユーロともいわれる高NA EUV露光装置が売上増に貢献した模様である。
ただし、同四半期の新規受注額は約39億4000万ユーロで、このうちEUV露光装置は12億ユーロとなり、市場予想を下回った。
ASMLのクリストフ・フーケ社長 兼 CEOは、「顧客情報を見る限りは2025年と2026年は成長期と見ているが、最近の米中政府の関税政策によりマクロ環境の不確実性が高まっており、半導体を取り巻く状況も不安定さがしばらく続くと予想される。AIが業界の成長をけん引していくことに変わりはなく、その成長性と関税政策による鈍化のリスクの両方を見る必要がある」と不透明感が強まっていることを強調。それを踏まえ、第2四半期の業績も売上高は72億~77億ユーロ、粗利益率50%~53%との予測を示しているほか、研究開発費を約12億ユーロ、販管費は約3億ユーロとする見通しを示す。また、通期については、売上高を300億~350億ユーロ、粗利益率51%~53%を見込むとするが、これらの予測は市場の不確実性に基づいたものだとしている。
売り上げに占めるEUVの割合が50%を突破
同社は、米国の関税政策が事業に影響を及ぼす複数のシナリオを想定しており、その動向を注視しているとするほか、米国以外の国が、米国から出荷されるものに関税を賦課するリスクも考慮する必要があるともしている。