ダッソー・システムズは、同社が提供するIPライフサイクル管理機能「POWER'by」の中核に複数の生成AIを組み込んだ新サービス「3D UNIV+RSES(3Dユニバース)」の提供を開始したことを発表した。
ダッソー・システムズは昨今、業界の変革に向け、生命や自然界の仕組みから学び、消費ではなく生成することで地球に還元していく“生成経済”の実現を目指している。これは“エクスペリエンス・エコノミー(経験経済)”と“サーキュラー・エコノミー(循環型経済)”の融合からなるものであり、企業の差別化に欠かせないIP(知的財産)が「通貨」として機能するような、仮想資産を経済価値とする経済モデルを指すとする。
そして同社は、生成経済を促進・実現するためのサービスとして3D UNIV+RSESを開発。AI学習を活用した同サービスは、モデリングやシミュレーション、現実世界のデータ、そしてAIによる生成コンテンツなどを相対的に組み合わせたもので、バーチャル世界と現実世界の融合を可能にするという。また、複数のバーチャルツインを結合してシミュレーションを行ったり、顧客のIPを保護しながらマルチAIエンジンの訓練が行えたりと、安全性の高い環境を提供するとしている。
ダッソー・システムズは3D UNIV+RSESの導入により、あらゆる業界の顧客が自社で保有する高品質で豊富な3Dデザイン、バーチャルツイン、PLMデータなどをデジタル環境で最大限に活用できるとする。またこの環境では、ジェネレーティブ・エクスペリエンス(GenXp)をはじめとした同社が提供するエクスペリエンス・アズ・ア・サービス(XaaS)におけるサービス・ソリューション活用に適した設計となっており、POWER'byAI機能や複数AIを搭載した製造業向けの3DEXPERIENCEプラットフォーム、ライフサイエンスおよびヘルスケア業界向けのMEDIDATAを通じて、顧客企業の知識やノウハウを可視化・生成し、迅速な展開が可能で安全な環境を提供するという。
そして同社は、3D UNIV+RSESがあらゆるもののバーチャルツイン活用を促進し、自社のエコシステム全体のバーチャル化も可能にするとした。また、モノの動きや変形、時間を統合し実験を行う環境である3D UNIV+RSESに搭載されたAI技術が、ジェネレーティブ・エクスペリエンスを促進し、バーチャル・コンパニオンとして人々を助け、そして未来人材のスキル向上に貢献していくとしている。