京浜急行電鉄と日揮ホールディングス、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYの4社は、国産の持続可能な航空燃料SAF製造に向け、使用済み食用油の供給に協力する基本合意書を締結したと11月28日に発表した。

  • 京急電鉄ら4社、国産の航空燃料SAF製造に向けた廃食用油供給で基本合意

国内資源循環による、脱炭素社会実現に向けたプロジェクト「Fry to Fly Project」へ参画し、京急グループ各施設における使用済み食用油(廃食用油)を、SAF(Sustainable Aviation Fuel)製造の原料として供給する取り組みを12月1日から開始する。将来的な沿線地域一体での事業推進をめざした参画は、鉄道業界で初めてとしている。

京急電鉄は基本合意書にもとづき、京急ストアが運営する「京急ストア久里浜店」と、京急百貨店が運営する「京急百貨店」、京急ロイヤルフーズが運営する「えきめんや」、「BIGFUN平和島」フードコート内店舗など、京急グループ3社、計24店舗で使用した廃食用油を提供する

  • KEIKYUビル

  • えきめんや

レボインターナショナルは、京急グループ各施設における廃食用油を収集し、SAFFAIRE SKY ENERGY(サファイア スカイ エナジー)が計画するSAF製造装置向けに納入。SAFFAIRE SKY ENERGYでは、国内初となるSAF大規模生産を行うプラントにおいて、レボインターナショナルから納入された廃食用油を原料するSAF製造を行う。

日揮HDは、廃食用油を原料とするSAF製造事業に関するサプライチェーンの全体構築を行う。なお、SAFFAIRE SKY ENERGYの生産プラントはコスモ石油堺製油所内において、2025年度に運転開始予定とのこと。

今後は、京急グループ各施設における供給に留まらず、京急沿線エリアマネジメント構想「newcalプロジェクト」において地域事業者や団体等とも連携し、羽田空港に乗り入れを行う鉄道事業者として、沿線一体での本取り組みへの参画をめざす。

  • 左は、大阪府堺市に完成するSAF製造工場。右は、SAF原料となる廃食用油受け入れ施設。いずれもコスモ石油製油所構内に設置する