NXP Semiconductorsは10月24日(欧州時間)、車載規格に準拠したワイヤレス・コネクティビティ向けソリューション「AW693」を発表した。

  • ワイヤレス・コネクティビティ向けソリューション「AW693」の搭載イメージ

    ワイヤレス・コネクティビティ向けソリューション「AW693」の搭載イメージ (出所:NXP)

同ソリューションは車載用にゼロから設計されたもので、同社の統合されたEdgelockセキュア・サブシステムによって保護されたConcurrent Dual Wi-Fi 6EとBluetooth 5.3の接続を実現し、車内での複数のセキュアな接続を提供するという。主にテレマティクスと車載インフォテインメントをターゲットとしており、NXPのアプリケーション・プロセッサi.MX 8/i.MX 9シリーズと組み合わせることで、複数の車載プラットフォーム間の接続をサポートでき、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)に新機能や安全性強化を提供するために必要なOTA(Over-The-Air)の安全な配信を可能とするだけでなく、車内の各種システムやモバイル機器間のセキュアな接続も容易に行うことができるようになるという。

多くの自動車メーカー(OEM)がSDVを志向する中、セキュアな車内ワイヤレス・コネクティビティは最新の自動車プラットフォームを特徴づけるOTAによるアップデートの提供に不可欠であり、セキュアな環境の実現によりOEMはハードウェアやソフトウェアの改ざんを懸念することなく新機能やセキュリティのアップデートを提供することができるようになる。

また、新モデルや将来の車両ではセンサ情報、カメラ・フィード、診断データ、その他の機能のセキュアなアップロード/ダウンロード、車両とモバイル機器の通信など、車両システム間の常時接続が必要になるが、それを実現するには、車載における接続設計のアプローチを変え、低レイテンシ、レガシー・デバイスと新デバイスの両方をサポートする同時マルチバンド接続、車両全体におけるシームレスな通信を可能にする安定した接続を優先する必要があると同社では説明しており、AW693をはじめとする同社の車載ワイヤレス・コネクティビティ向け製品ラインナップを活用することで、OEMは最適なソリューション・コストで高性能なコネクティビティを提供することができるようになると同社では説明している。

なお同社では今後の自動車に向けたワイヤレス接続機能について、自動車がコネクティビティ・デバイスとしての側面が強まっており、エンターテインメントのハブやネットワーク・アクセス・ポイントなどの役割を担うようになっているとしており、車載に特化させたアクセス・ポイント的な設計思想と、長年にわたるコネクティビティ技術を組み合わせることで、コネクテッドカーの未来を前進させる車載用ワイヤレス・コネクティビティ向けソリューションの製品ラインナップを提供して行くとコメントしている。