Intelは10月27日(米国時間)、2022年第3四半期の決算を発表したのに併せて、通期業績見通しを従来の650億~680億ドルから630億~640億ドルへと、今年2回目となる下方修正を行った。年初見通しは約760億ドルであったため、そこから120億ドル以上も下方修正したことになり、2021年通期売上高(790億ドル)と比べると最大20%減と予測している。

同日発表された2022年第3四半期(7~9月期)決算は、売上高が前年同期比20%減の153億3800万ドル、純利益は同85%減の10億1900万ドルと低調であった。

2023年に30億ドル規模の経費削減を実施へ

Intelは、収益回復に向けて2025年までに最大で年間100億ドルのコスト削減に取り組むことを明らかにした。このコスト削減は段階的に進める予定で、まず2023年に30億ドルのコスト削減を行い、2025年までに最大年間100億ドルに拡大するという。同社は、今後工場ネットワークの効率性を高めることによるコスト削減に注力するとしているが、それにとどまらず、人員対策もコスト節減計画に含まれるとの見方を示している。具体的な人員対策計画の発表時期の明言は避けたが、業界関係者によれば、近日中に大規模なリストラ(従業員のレイオフ)が発表される見通しだという。

工場ネットワークの効率性向上に向け、同社のPat Gelsinger CEOは10月11日付けで、従業員宛てに社外の顧客企業からの製造委託製品だけではなく、Intel自身の製品にも「社内ファウンドリ事業モデル」を適用すると通達。同日付けで同事業モデルを対外的にも発表して、外部関係者にIntel Foundry Services(IFS)事業の強化をアピールしている。

新たな事業モデルを導入することで、Intel社内の製品担当部門はIFSを利用する社外顧客と同じ立場になることから、Intel自体の製品製造が優先されることはなくなり、Intelと社外顧客とが同等の立場でファウンドリを活用することになるという。この取り組みは、IDM 2.0の潜在的な可能性を最大限に引き出す措置であり、同社は「IDM 2.0アクセラレーション・オフィス」を設立し、この事業モデルを推進してIDM 2.0を次の段階へと発展させるとしている。

Gelsinger氏は、「IFSの社内ファウンドリモデルは、新たなシステム・ファウンドリの時代を切り拓き、SoCからSiPへと注目が移るというパラダイムシフトを起こすだろう」と述べている。

Intel子会社のMobileyeがIPOを完了

このほか、Intelは10月26日、 同社子会社だったMobileyeのNasdaq Global Select Marketでの株式の最初の取引により、Mobileyeの新規株式公開(IPO)を完了したことも発表している。Mobileye株式は、「MBLY」というティッカーシンボルで取引されており、Mobileyeは今後も、自動運転支援システムと完全自動運転技術開発のリーダーとして、これらの事業のさらなる発展を目指すとしている。

なお、2021年12月にIPOを発表した際は、「Intelの株主にMobileyeの価値を解き放ち、Mobileyeのイノベーションと成功の実績を基に構築する方法として提示した」とIntelは説明していたが、今回のIPOで得た資金についてIntelでは、業績回復の費用に充てる模様である。