onsemiは、映画撮影機材メーカーである独ARRIの新型シネマカメラ「ALEXA 35」向けにカスタマイズした新たなハイエンドCMOSセンサを開発したことを発表した。

ALEXA 35に提供されたのは、onsemiのALEV4 Super 35 4.6K CMOSイメージセンサで、RGBカラーフィルタを搭載し、6.075μmピッチで4608×3164ピクセル(1460万画素)の解像度と最大120fpsのフレームレートを実現しているという。

同センサには、onsemiの最新技術であるピクセル応答の最適化、HDR技術、高速読み出し時のピクセル均一性向上などの技術が導入されているほか、ダイナミックレンジの拡張により、1フレームでコントラストの高いシーンを細部まで鮮明に表示できるため、優れた画質、自然な色、さらにエコシステム一式を提供することによって、デジタル画像撮影の水準を引き上げる高品質のカラー画像が得られるという。

  • onsemiのCMOSイメージセンサを搭載したARRIの最新世代シネマカメラ「ALEXA 35」

    onsemiのCMOSイメージセンサを搭載したARRIの最新世代シネマカメラ「ALEXA 35」 (提供:onsemi)

onsemiによると、2022年の第75回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した「トライアングル・オブ・サッドネス(Triangle of Sadness)」をはじめ、同映画祭で上映された49作品のうち30作品が、onsemiのカスタマイズCMOSイメージセンサを搭載したARRI ALEXAファミリのカメラを使用して撮影されたものだという。

ARRIのカメラシステム事業部長ウォルター・トラウニンガー(Walter Trauninger)氏は、「2005年に発売された最初のARRIFLEX D-20を皮切りに、2010年6月に納入された初代のALEXAから、2022年発売のALEXA 35まで、ARRIのすべてのデジタルカメラには、onsemiと共同開発したCMOSイメージセンサが搭載されている。両社の密接な協力関係は、ARRIが映画製作者に総合的に最高の画像品質を提供するための基盤となっている。このような長期的な取り組みは、絶えず変化する半導体市場において、ほとんど例がなく、ARRIにとって貴重なものである」と述べているほか、onsemiにてシニア・バイスプレジデント兼ISGのジェネラル・マネージャを務めるロス・ジャトウ(Ross Jatou)氏は、「ARRIと共同でALEXA 35カメラ用のイメージセンサを開発したことは、性能を高めながら、低コストで高品質なハイエンドセンサを開発するonsemiの能力を証明している。ARRIと緊密に協力してきた22年間は、ハイエンドのデジタル画像撮影およびマシンビジョン市場向けにイメージセンサを提供するという、onsemiの確固たる意志とスキルセットを証明するものである」と述べている。