JSRは、中国における半導体製造用レジストやCMPスラリーをはじめとする半導体製造用材料の販売活動を強化することを目的に、中国上海市臨港特別区に半導体材料専門の営業拠点を設立することを決定し、臨港特別区政府と投資協議書を交わしたと8月25日に発表した。2022年8月末には会社登記を完了し、2022年12月ころの稼働開始を予定しているという。

現地法人が設立される臨港特別区は、先端産業の集積地として整備が進められており、国内外の数多くの先端技術企業が投資を行っているという。

JSRでは、「中国半導体市場は今後も成長が見込まれており、今後の同市場での事業展開を見据え、これまで現地法人であるJSR(Shanghai)で行ってきた半導体向けの営業活動を新現地法人に移管する。また、新現地法人では中国の顧客ニーズに応える将来の機能拡充も視野にいれており、JSRの電子材料事業活動の中心拠点として顧客対応力強化を図り、顧客と製品のポートフォリオ拡大につなげる」としている。

JSRは、今回の中国での新現地法人立ち上げに先立ち、シンガポールを中心とした東南アジアにおける半導体材料事業の営業・マーケティング活動の強化を目的に、シンガポールに現地法人「JSR Electronic Materials Singapore」を2021年12月に設立している。

これまでは、欧州のJSR Microのシンガポール支店を通してシンガポールでのビジネスが行われてきたが、今回の現地法人設立により、グローバルでの半導体材料事業の連携を強化し、東南アジア地域における一層のマーケティングと顧客対応力強化を図ったという。

また、台湾における半導体材料事業の営業・マーケティングおよび研究開発活動の強化を目的に、台湾の新竹・台元(台元科技園区)に現地法人「台灣捷時雅電子材料(JSR Electronic Materials Taiwan)」を2022年4月に設立している。なお、韓国には以前より半導体材料営業・マーケッティングの現地法人があり、Samsung ElectronicsやSK HynixにEUVレジストなどの半導体製造用素材を拡販している。

JSRは今後、アジアにおける半導体製造が急成長することを見越して、アジア各地に次々とフォトレジストなどの材料専門の営業拠点を設けて、事業拡大を図ろうとしている。