Samsung Elctronicsが、ファウンドリ事業部、半導体研究所など半導体を担当するDevice Solutions(DS)部門の役員10人以上の人事異動を行ったと複数の韓国系メディアが報じている。通常は12月に行う役員級人事異動をこの時期に行うのは異例である。

新たな人事では、ファウンドリ製造技術センター長をナム・ソクDS部門最高戦略責任者(CSO)兼グローバル製造・インフラ総括副社長が兼務、ファウンドリ技術革新チーム長にはキム・ホンシクメモリ製造技術センター副社長を選任するとしている。メモリ製造責任者らを微細化プロセスでてこずっているファウンドリ製造にあてたようだ。

また、半導体研究所長にはソン・ジェヒョクNANDフラッシュメモリ開発チーム長(副社長級)をあてる人事もなされたほか、半導体研究所そのものの組織変更も行い、メモリTD(技術開発)室を「DRAM TD室」と「フラッシュTD室」に細分化し、新たに「次世代研究室」を設けるなど、先行技術研究を分野別にさらに注力するための組織改編を行った模様である。

人事刷新でファウンドリ事業を立て直しか?

複数の韓国メディアによると、Samsungは今年初めに自社開発のAP(アプリケーションプロセッサ)「Exynos」の最新版を自社スマートフォン(スマホ)「Galaxy S22」に搭載する計画だったが、歩留まり低迷のため納期を守れず、欧州を除く残りの地域で発売されたGalaxy S22には、QualcommのAPを搭載せざるを得なかったという。

また、一部の顧客企業が歩留まり低迷を嫌ってSamsungから離脱しTSMCに製造委託先を変更したといううわさが絶えず、Samsungは同部門の経営診断(いわゆる内部監査)を行ったばかりで、今回の人事は、その結果を踏まえたものと韓国半導体業界関係者は見ている。研究所の人事についても、最近の研究内容に業界初をうたうほどのものが乏しくなっているとの業界の評判をかわすためにエース級人材を所長に充てたと業界関係者は見ている。