車載およびオーディオ・ビデオ向け高速コネクティビティ・ソリューションプロバイダであるイスラエルValens Semiconductorは、大手自動車(OEM)メーカー8社ならびにティア1メーカー10社などに、車載センサ・コネクティビティ向けMIPI A-PHY規格に準拠したチップセット「VA7000ファミリ」のエンジニアリング・サンプルを出荷したことを発表した。

MIPI A-PHYは2020年9月にバージョン1.0がリリースされた高速車載コネクティビティ規格。2021年にIEEE Standards AssociationによりIEEE規格の1つとして採用され、大手自動車メーカーを中心に次世代ソリューションへの採用検討が進められている。

VA7000シリーズは、先進運転支援システム(ADAS)機能の強化と将来のソフトウェア・デファインド・ビークルに向けたもので、1リンク当たり8Gbps(デシリアライザにより合計32Gbps)、最終的には1リンク当たり16Gbpsの帯域と、最大15mの伝送距離、10-19の低パケットエラー率といった特長を有しているという。

同社では、VA7000シリーズの活用により、現在広く使用されている高コストで独自仕様のブリッジCSI-2エクステンション・ソリューションから、車内インフラのコネクティビティをDSPベースの標準プロトコルへと移行させることが可能になるとしている。

なお、日本でも複数のOEMやティア1が将来の製品ロードマップへの統合に向けてMIPI A-PHYの技術評価を開始しているという。

  • MIPI A-PHY規格準拠チップセット「VA7000ファミリ」

    ValensのMIPI A-PHY規格準拠チップセット「VA7000ファミリ」