島津製作所とデータ統合プラットフォームを提供するTetraScience、島津製作所の北米子会社であるShimadzu Scientific Instruments (SSI) は4月26日、島津製作所の分析データシステム「LabSolutions」のデータとTetraScienceのデータプラットフォーム「Tetra R&D Data Cloud」を連携可能にする、製薬市場向けの戦略的提携を発表した。

TetraScienceは、ライフサイエンス分野における研究開発業務の変革、創薬の促進、QOLの改善と長寿命化をミッションとした開発関連のデータクラウドを提供する企業で、ライフサイエンス分野の顧客に対し、科学的データへのアクセスを容易にするTetra R&D Data Cloudを取り扱う。

SSIは島津製作所の分析計測事業部の北米子会社で、科学や産業における幅広い応用のための分析と試験ソリューションの包括的なポートフォリオを提供している。

近年、製薬領域の研究・開発プロセスで使用されるさまざまな分析機器の制御や膨大な分析データの解析処理には、専用ソフトウェアの利用が必要不可欠とされている。その一方で、通常は分析データの形式が分析機器メーカーによって異なるため、ユーザは分析データを個別に確認・解析する必要があったという。

今回の3社提携により、製薬の研究・開発プロセスで広く使用される島津製作所の分析データシステム、LabSolutionsの分析データと、TetraScienceのTetra R&D Data Cloudを連携させることが可能になる。ユーザが取得した分析データを1つのプラットフォームで一元管理することで、分析結果の解析にかかる負担が軽減され、製薬の研究・開発プロセスに関連する幅広い顧客の効率化を支援可能だとしている。

今後は、分析データや電子ラボノートブックの実験記録などの情報を元にAIを活用することで、求める成果をより早く生み出す分析条件の提案など、従来は不可能だった解析・考察をTetra R&D Data Cloud上で実現することも目指すとのことだ。