堀場製作所のグループ会社で水・液体に特化した分析・計測事業を担う堀場アドバンスドテクノは4月14日、微生物迅速検査装置「Rapica(ラピカ)」を発売すると発表した。

  • 測定器とろ過装置

    Rapicaの測定器(右:サイズは幅500mm×奥行500mm×高さ500mm)とろ過装置(左:サイズは幅420mm×奥行340mm×高さ380mm)(提供:堀場製作所)

ATP法と堀場の光学技術を利用した微生物検査装置

堀場製作所は、2019年に策定した中長期経営計画「MLMAP2023」の中で注力市場の1つとして「バイオ&ヘルスケア」を挙げている。同社がこれまで得意としてきた研究機関、R&D部門向けの分析製品だけでなく、品質管理といった産業プロセス向け製品までカバーすることで事業拡大を図るため、今回、品質管理などで用いられる微生物検査装置の発売に至ったという。

微生物検査は、医療、食品・飲料、化粧品などの分野で行われる。この分野の製品で微生物汚染が発生すると、医療分野では患者の命に関わったり、食品や化粧品分野では腐食につながるなどの悪影響を及ぼす。

微生物検査では、培養法を用いることも多いが、検査結果がわかるまで数日を要し、手作業による結果のバラつきなど課題もあったという。

そこで、堀場アドバンスドテクノが採用したのは「ATP法」という検査手法だ。「ATP(アデノシン三リン酸)」とは、すべての生物の細胞内に存在し、代謝活動に使用される。ATP法では、このATPを測定することで検体に含まれる微生物の有無と汚染度合いを確認する。

堀場製作所がもつ光学技術をATPの発光反応測定に応用し、微生物1細胞レベルのATP量を検出可能な感度を実現したという。