TrendForceによると、2021年におけるファブレスIC企業の上位10社売上高合計額は、前年比48%増の1274億ドルとなったという。世界的な半導体不足を受け、チップ価格が高騰したことが背景にあるという。

上位10社の中でもっとも成長率が高かったのは、台Novatekの同79%増(売上高は48億ドル)、次いで台Himax Technologiesの同74%増(15億ドル)、AMDの同68%増(164億ドル)、MediaTekの同61%増(176億ドル)と続く。ちなみに英Dialog Semiconductorは、10位相当する売り上げを達成したものとみられるが、2021年8月末にルネサス エレクトロニクスが買収を完了させたため、ランクには記載されず、代わりにHimaxが初のトップ10入りを果たすこととなった。

  • 半導体ファブレスIC企業の売上高ランキングトップ10

    半導体ファブレスIC企業の売上高ランキングトップ10 (出所:TrendForce)

ファブレスICのトップは前年に続いてQualcommで、携帯電話SoCの売上高が同51%増、IoT向けチップの売上高が同63%増と大きく伸びたことが大きいとするほか、RFおよび自動車用チップの新製品投入も売り上げの増加に貢献したという。

2位は前年3位だったNVIDIAで、ゲーム用グラフィックカードの売上高が同64%増、データセンター向け製品の売上高が同59%増と大きく伸ばしたことが寄与したものとされる。一方、前年2位だったBroadcomは、ネットワークチップ、ブロードバンド通信チップ、ストレージおよびブリッジングチップで安定した売り上げを達成したものの、成長率が上位10社中で最低となる同18%増と伸び悩み3位へと後退することとなった。

Novatekは、SoCとディスプレイドライバICの2つの主要な製品ポートフォリオともに大幅な伸びを見せたほか、製品仕様の改善や値上げ効果などもあり、上位10社中、最高の成長率を見せており、前年の8位から6位へと躍進を果たした。

また、2020年9位であったRealtekは、オーディオおよびBluetoothチップの安定した売り上げの増加を受け、前年の9位から8位へと順位を上げることに成功した模様である。

市場全体を俯瞰すると、HPC、インターネット、高速伝送、サーバ、自動車、産業用アプリケーションなどの高性能製品に対する需要の高まりが、ファブレスIC企業にビジネスチャンスを生み出し、全体的な成長を促進する結果となっているとTrendForceでは分析している。ただし、ファウンドリコストの上昇、地政学的紛争の激化、インフレといった要因が世界経済に悪影響を及ぼすことが懸念され、特に家電市場に影響を与える可能性があるともしており、ファブレスIC企業各社は、既存の生産能力の範囲内で製品割り当てをどうするのか、研究開発効率をどのように強化するのか、半導体の性能をどこまで高めていけるかといった課題に直面することになるともしている。