台湾の大手ファウンドリUMCが、2022年3月より中小ファブレス企業向け全製品の製造受託価格を5~10%ほど値上げする模様だと台湾の複数メディアが報じている。

すでに同社は2022年1月1日付けで、大口顧客向け長期契約価格を10%程度値上げする動きを見せているほか、2021年中も四半期ごとに値上げを繰り返してきた経緯がある。

値上げの背景には、世界的な半導体不足が続いていることが挙げられるが、UMCはこうした市場のうわさに対するコメントは行っていない。ただし、複数の中小ファブレス企業が値上げの通達を受け取ったとしている。UMCの値上げについて、台湾半導体業界関係者は、粗利益を改善し、目標とする40%の早期達成を現実化するための施策だと見ている。

一方、中小のファブレス企業各社は、UMCだけではなくほかのファウンドリからも値上げを通告されているが、生産枠確保を条件に受け入れる見込みだと台湾メディアでは伝えられている。半導体ファウンドリは、TSMCがシェアの過半を占めるなど、台湾勢による寡占化が進んできており、価格や生産する製品ポートフォリオを利益最大化などの観点でファウンドリ有利で決めている状況だともされており、そうした動きから、TSMCやUMCなど台湾ファウンドリによる業界の寡占化・独占化が世界的な半導体不足の原因になっていると指摘する向きもある。