電子情報技術産業協会(JEITA)と電子実装技術委員会/Jisso 技術ロードマップ専門委員会(JJTR)は、2035年に向けた方向性を示す「2026年度版 実装技術ロードマップ」を6月に発刊した。同書では、AI活用で重要となる情報通信やモビリティ、メディカル・ライフサイエンス、それに新技術・新市場の4分野に着目し、実装技術の動向を網羅している。

  • 「JPCA Show 2026」(電子機器2026トータルソリューション展、会期:6月10~12日)では、国内外の企業が先端実装技術を披露した

    「JPCA Show 2026」(電子機器2026トータルソリューション展、会期:6月10~12日)では、国内外の企業が先端実装技術を披露した

JJTRによると、実装の大きなトレンドは“基板の大型化”。なかでも樹脂のRDL(再配線層)を使ったパネルレベルパッケージ(PLP)需要が広がっている。

500mm角以上のガラス基板を使ってRDLに微細配線を形成するもので、配線幅/配線間隔(L/S)はガラス基板にもっとも近い配線層から順に2/2µm、次が5/5µm、3層目は10µmを下回る程度のピッチになる。平坦度が落ちてくるにともないL/Sは甘くなるが、それでもRDLファーストのプロセスにすることで従来にない微細配線を可能にしている。これでCPU向けに多層の微細配線が実現できるようになり、「PLPビジネスが30%くらい増える」と予想している。

またクラウド向け用途が多い、チップを水平方向に集積した2.5Dパッケージは実装密度を高めるためにシリコン貫通電極(TSV)ピッチが狭くなっていく。SiP(システム・イン・パッケージ)では、シリコンインターポーザーにディープトレンチキャパシタなどを搭載していて、TSVピッチはいまの10µm前後から、2035年には5µmに、アスペクト比は2025年の10が、2035年には30になるとしている。

またシリコンブリッジをビルドアップ基板に埋め込み、インターポーザー代わりにチップ間の橋渡しをする動きも強い。インターポーザーを使うよりも低コストとされるが、いかにシリコンインターポーザーの中にうまくシリコンブリッジを埋め込み、かつ動かないようにするか。これは容易ではない。

次はチップを垂直方向に積む3Dだが、インターポーザーの代わりにCPUなどの実デバイスにメモリなどの周辺チップを載せる「実デバイスインタポーザー方式」と、実デバイスをブリッジとして埋め込む「3Dインタポーザー方式」とが併用されていく。TSMCの「CoWoS」(チップ・オン・ウエハー・オン・サブストトレート)と同じような考えだ。

これから高密度実装に重要となるのが、銅バンプ同士を化学結合と金属結合の両方を使って結合するハイブリッド結合。これまでは2µmピッチが一般的だったが、最先端技術では0.4µmピッチも実現されている。

一方で、高多層プリント配線板(PCB)技術は半導体製造装置向けに進化していく。100層以上のPCBは半導体テスト用プローブカードを想定しており、一般的なサーバー向けPCBとは仕様が異なる。

たとえばウエハーあたり数百個の半導体ダイを同時測定するため、プローブ(針)数は1万以上になり配線密度が2〜3世代で10倍以上になっている。また針のピッチを将来20µm以下に微細化するため、配線幅/配線間隔は15/15µm以下が求められている。ワークサイズは2025年も2035年も610×812mmだが、最大層数は116層が同140層へと増え、導通穴系は100µmから75µmへと微細化する見通しだ。

今もっとも注目されているのが、光電融合パッケージ(CPO=Co-Packaged Optics)とガラス基板。電子デバイスパッケージでは光電変換モジュールの動きが活発で、シリコンフォトニック集積回路を使ってCPUやGPU、NPUなどのモジュール間接続を行うだけではなく、プロセッサ/メモリデバイスにも内蔵しようとしている。

また、データセンターでは光トランシーバーとロジックチップをCPOにパッケージしてつかう動きがある。CPOでは100個に近い光トランシーバーがインターポーザー基板に実装され、400Tbps以上の通信を可能にしている。光電融合にはNTTが「IOWN」(アイオン)で先駆けていて、ロスにつながる光から電気信号への変換を抑えた「IOWN APN」(アイオン オールフォトニクス・ネットワーク)を推進している。

こうした光化はガラス基板と相性が良い。ガラス基板への取り組みに熱心なインテルはチップ内に光回路を形成することでも先駆けだが、これには導波路を形成しやすいガラス基板の特徴がある。

JJTRの「ガラスサブストレート技術ロードマップ」によると、基板サイズは2025年に90mm角、2028〜35年には240mm角になる。2025年の配線層は2層のコアの上下を9層基板で挟む「9+2+9」構成だが、28年には12+2+12へ、2030年には16+4+16、2035年には16+6+16になる。

コア層は耐熱性や耐薬品性、絶縁性に優れる硼珪酸ガラスが継続してつかわれる。コア層厚はいまの1000µmが2030年には500〜2000µmに。コア穴径はいまの75µmが2035年には50µm、ビア径はいまの10µmが2035年には0.5µmに微細化する見通しだ。