この半導体ニュースのまとめ
・Intelの2026年第2四半期売上高は前年同期比25%増の161億ドル、非GAAP EPSは0.42ドル
・DCAIはAI需要を背景に前年同期比59%増、Intel FoundryもIntel 18Aの生産拡大で前年同期比31%増
・Intel 18A-Pはリスク生産を開始。Intel 14Aは2027年後半リスク生産、2028年量産立ち上げへ投資を拡大
売上高は161億ドル、15年以上で最大級の成長率に
Intelは7月23日、2026年第2四半期決算を発表した。同四半期の売上高は161億ドルで、前年同期比25%増となった。非GAAPベースの粗利率は41.8%、非GAAP EPSは0.42ドルで、いずれも4月時点のガイダンスを上回った。
同社は、今回の決算について15年以上で最も強い売上成長と表現しており、AI需要によるコンピュートインフラの拡大が、IntelのCPU、ASIC、先端パッケージング、ファウンドリ事業に成長の機会をもたらしていると説明している。
一方、GAAPベースではIntelに帰属する純損失が110億ドルを計上した。本業の収益力である営業利益は約18億ドルの黒字を確保したものの、米国政府とのCHIPS法に基づく契約に絡む株価の評価損で約126億ドルの損失を計上したことで、純損失が生じる結果となった。
DCAIは59%増、AI時代のCPU需要を取り込む
事業別では、Data Center and AI(DCAI)の売上高が63億ドルとなり、前年同期比59%増と大きく伸びた。クラウドおよびエンタープライズ向け需要がけん引し、サーバ向け売上高の前年同期比成長率は過去最高になったという。
Intelは、AIインフラにおいてGPUやAIアクセラレータだけでなく、汎用CPU、とりわけx86 CPUの役割が再評価されていると説明する。エージェンティックAIやマルチエージェント型システムの拡大により、サーバCPU密度への要求が高まり、Xeon 6も同社史上最速級の立ち上がりを見せているとしている。
また、DCAIでは特定用途向け半導体の売上高も前年同期比で約3倍、前四半期比で約20%増となった。例えば、Fortinetとの協業によるセキュリティプロセッサの開発などを通じて、ネットワーク分野からコンピュート、将来的にはアクセラレータへとASIC戦略を広げる方針を示している。
CCPGは89億ドル、AI PCとPhysical AIを成長領域に
Client Computing and Physical AI Group(CCPG)の売上高は89億ドルで、前年同期比13%増、前四半期比15%増となった。IntelはPC事業を従来のClient Computing GroupからCCPGへ改称しており、PCに加えてエッジAIおよびフィジカルAIを成長領域に位置付けている。
同社によると、AI PC関連売上高は前四半期比26%増となり、クライアント売上高の3分の2を占めた。また、エッジ分野の展開も進み、CCPG売上高の約10%を占める規模になったとしている。
IntelはCore Ultra Series 3およびCore Series 3について、エッジAIやロボティクス用途で130件超の顧客採用または評価が進んでいるとこれまでにも説明しているほか、6月頭にはロボティクスモデルを視覚、言語、推論、モーション制御まで展開しやすくするオープンソースフレームワーク「OpenVINO Physical AI」も発表するなど、エッジAI関連への攻勢を強めている。
Intel FoundryはIntel 18Aの生産量が拡大、Intel 14Aの量産に向けた投資を強化
Intel Foundryの売上高は58億ドルで、前年同期比31%増となった。Intel 18Aの生産量の拡大によって社内目標を約25%、前四半期比で50%以上上回る水準を達成したとする。この結果、同部門の営業損失は21億ドルだったが、前四半期から3億4800万ドルの改善を果たした。Intelは、Intel 4/3およびIntel 18Aにおける歩留まり改善、サイクルタイム短縮、工場稼働率の向上がウェハコスト改善につながっていると説明している。
プロセス面では、Intel 18AとのIPおよび設計互換性を維持しながら、性能と電力効率を高めるプロセスノードとされるIntel 18A-Pがリスク生産に入ったことが公表済みである。さらに次世代となるIntel 14Aについては、PDK 0.5を完了し、PDK 0.9を10月に提供する予定で、内部製品向けには2027年後半のリスク生産、2028年の量産立ち上げにコミットしたとしている。
Panther Lakeで高NA EUVも量産適用へ
中でもIntel FoundryがIntel 18Aで製造する一部のCore Ultra Series 3プロセッサ、開発コード名「Panther Lake」については、ASMLの高NA EUV露光装置の一部レイヤへの量産適用が進められるなど、生産量の増加とコスト削減に向けた取り組みが進められており、こうした取り組みが外部の顧客に向けたIntel Foundryの実行力を示す重要な要素となるとするほか、製造コストについても年初来で約50%削減、さらに2026年会いに追加で20%の削減につながるとしている。
併せて先端パッケージング分野ではEMIB-Tへの顧客関心が高く、2027年の顧客立ち上げに向けて量産・高品質化を進めているとしている。
設備投資は200億ドル超へ、2027年はさらに拡大
Intelでは、市場からの需要の高まりを受ける形で2026年の設備投資見通しを当初の180億ドルから200億ドル超へ引き上げた。さらに2027年の設備投資は2026年を大きく上回る見通しで、その大半を米国内ネットワークに投じるとしている。
同社によると、2021年から2026年にかけて、米国内での装置およびクリーンルーム関連投資は1000億ドルに近づいており、この期間の米国内半導体投資としては他社を大きく上回る規模だとしている。
第3四半期売上高は158億~168億ドルを予想
なお、2026年第3四半期の業績見通しとして、Intelは売上高を158億~168億ドルと予想している。非GAAPベースの粗利率は42.0%、非GAAP EPSは0.38ドルを見込む。
PC市場は2026年は停滞気味だが、サーバCPU需要が改善傾向にあり、業界全体のサーバCPU出荷台数が2026年および2027年に2桁成長となると予測しており、Intelでは、CPUを中心に、ASIC、先端パッケージング、ファウンドリサービスを含める形で成長を目指すとする。Intel 18Aの順調な立ち上がりに加え、Intel 18A-P、そしてIntel 14Aがどのような形で立ち上がってくるか、自社の製品ロードマップに加え、ファウンドリの顧客獲得をどこまで同時に進められるかが、今後の同社の成長を占ううえでの焦点となりそうだ。





