このMEMS関連ニュースのまとめ
・Yole Groupによると、2025年のMEMS市場は前年比7.6%増の171億ドル、出荷個数は330億個超に拡大
・MEMSサプライヤ売上高トップ30には日本企業としてTDK、キヤノン、村田製作所、セイコーエプソンの4社がランクイン
・データセンター向け光MEMS、ロボティクス、スマートセンサ化などを背景に、2031年には240億ドル市場へ成長する見通し
Yole Groupによると、2025年のMEMS市場は前年比7.6%増の171億ドル、出荷個数も330億個を超えたという。また、データセンターを中心に、ヒューマノイドロボット、スマートアイウェアなどをけん引役として2031年までに年平均成長率(CAGR)6.1%で成長し、240億ドル規模、出荷個数も420億個に達すると予測されるという。
MEMSサプライヤ売上高ランキングトップ30に日本企業は4社
Yoleが発表した2025年のMEMSサプライヤ売上高ランキングトップ30社を本社所在地で見ると、米国15社、欧州6社、中国5社、日本4社となっている。同社は公開情報としては16位以下の企業名を明らかにしていないが、同社への取材から日本企業としては、5位にTDK、12位にキヤノン、18位に村田製作所、22位にセイコーエプソンが入っていることが判明した。2018年のトップ30ランキングには日本企業は10社入っていたが、2022年以降は4社へと減少している。
売上高トップのRobert Bosch(ボッシュ)、4位のSTMicroelectronics、5位のTDKがMEMSセンサ分野で、2位のBroadcomと3位のQualcommがRF MEMS分野でそれぞれ優位性を有している構図に大きな変化はない。そうした中、大きな成長を見せたのは15位のSiTimeで、売上高は前年比61%増としている。
背景には通信分野でのMEMSタイミングデバイスの採用拡大が挙げられ、同社の成長がBoschのファウンドリ事業の伸びにも寄与したという。また、SiTimeは2026年にルネサス エレクトロニクスからタイミング事業を買収しており、2026年もしくは2027年にはトップ10入りを果たすことが予想されるという。
このほか、MEMSファウンドリ市場は、安定した消費者需要と、通信インフラ向け光MEMSなどの新たな用途に支えられ、2025年には約10%拡大。業界全体の生産量は年産で340万ウェハ規模となり、2031年までに410万枚まで拡大することが見込まれ、その生産量のほぼ半分が北米ならびに欧州となるとしている。
MEMSを取り巻く新たなトレンド
MEMS業界が成長を持続させるためにはインテリジェンス、小型化、電力効率、コスト効率などを向上させる必要があり、その実現に向けて設計や統合、ソフトウェアやパッケージングなどバリューチェーン全体でイノベーションが起こりつつある。
そうした生み出された新技術・製品により、従来のセンサやアクチュエータの代替が進みつつあり、例えばデータセンターの通信向け光MEMS、中でも光回路スイッチ(OCS)は、低消費電力、低遅延、拡張性などから普及が進みつつある。
小型化も集積度の向上、低消費電力化、コスト削減に寄与しているほか、材料革新も同様に重要で、そうした材料と組み立て方法が厳しくなる環境要件を満たす必要があるため、パッケージング技術も不可欠となっている。
さらに、インテリジェンスを組み込んだスマートセンサへの移行も注目されており、センサフュージョン、エッジ処理、AI機能といった要素は、統合性、プライバシー、電力効率を向上させると同時に、最終製品の付加価値として期待されており、そうした新たな用途の出現により、今後も成長が期待されるという。


