IntelのPat Gelsinger CEOは、台湾でのTSMCとの3nmプロセスを用いたCPU/GPUの製造委託に関する商談を終えたのち、マレーシアへ移動、世界的な半導体不足に対処するため、同国ペナンに新しい半導体パッケージングおよび最終テスト工場の建設に向け70億ドル(8000億円)以上を投資すると発表した。新工場は2024年に生産を開始する予定であるという。米国およびマレーシアの複数メディアが12月16日付けで報じている。

この投資額は、TSMCとソニーの合弁企業(前工程工場、300mmウェハ、月産4.5万枚)が投じる予定の8000億円に匹敵、あるいはそれを超す規模の投資である。一般的に、後工程工場は前工程工場よりもはるかに少ない投資額で建設されてきたことを踏まえると、今回の投資金額を考えれば、この新たな後工程工場が高度な3次元実装技術を用いた莫大な生産能力を備えた巨大工場であることがうかがえる。

直接雇用4000人、建設雇用5000人の経済効果

マレーシア政府によると、Intelによる300億リンギット(71億ドル)の投資により、国内で4000人以上のIntelによる直接雇用と、5000人以上の工場建設関係の雇用が創出されると見込まれている。

Intelは、すでにマレーシアで後工程工場を運営している子会社のIntel Electronics(Malaysia)を通じて投資を行う。1972年にマレーシアのペナン州にある5エーカー(2万平方メートル)の土地に米国外で最初の生産施設(後工程工場)を開設し、チップの実装・最終検査を支えてきた。

なお、米国政府(商務省)は、半導体サプライチェーンの米国内完結を推し進めようとしている。そのため、Intelも米国ニューメキシコ州に35億ドルを投じ、最先端3次元実装工場を建設することを表明している。Intelは、ウェハプロセス(前工程)の微細化競争でTSMCやSamsungに後れをとっていることもあり、高度な3次元実装技術を自社工場で積極的に活用することで差異化を図ろうとしているようだ。

また、Gelsinger氏は、マレーシアでの記者会見で、2021年の半導体需要は前年比で20%の成長を続けているため、半導体各社は生産能力の拡大を図ろうとしているが、それには時間がかかるため、世界的な半導体不足は「2023年まで続くとの認識を明らかにしたという。