住友化学は、半導体製造向け材料の生産能力向上に向け、主力の大阪工場における液浸ArFならびにEUVフォトレジストの製造ラインの増設を図るほか、韓国における同社100%子会社である東友ファインケム(Dongwoo Fine Chem)の益山工場に、液浸ArFフォトレジストの製造プラントを新設し、2024年度上期より稼働させる計画であることを明らかにした。

東友ファインケムは、線幅の広い半導体プロセス向けのi線フォトレジストやKrFフォトレジストの製造拠点として、20年以上にわたって生産活動を続けてきたが、今回の取り組みでは、新たに液浸ArFフォトレジストも製造品目に加えることに模様である。住友化学は、韓国の半導体企業の増産計画および住友化学自身の事業継続計画(BCP)の観点も踏まえて、東友ファインケムでの液浸ArF製造プラントの新設を決定したとしている。これにより、大阪工場を含めて住友化学グループ全体の最先端プロセス向けフォトレジストの生産能力は、2024年度に2019年度比で約2.5倍と増大するという。

韓国での高純度アンモニアの生産能力も4割増しへ

また住友化学は、日本と韓国で半導体用高純度薬液の製造ラインも増設し、生産能力を強化することも8月末に発表している。愛媛工場の高純度硫酸の生産能力を約2倍に引き上げるほか、韓国の東友ファインケムの益山工場における半導体ウェハ洗浄用高純度アンモニア水の生産能力を約4割増強するとしている。これら新規製造ラインの稼働開始時期について、住友化学では、愛媛工場は2024年度上期を、東友ファインケムは2023年度下期をそれぞれ予定するとしている。

東友ファインケムは、もともと、1991年、韓国の東洋化学工業と日本の住友化学・伊藤忠商事の共同出資で東洋化学の「東」と住友の「友」をとって「東友半導体薬品」として設立され、1998年に東洋化学の全持株を引き受ける形で翌1999年に、事業分野の拡大に対応して社名を「東友ファインケム」に改め、住友化学の韓国における生産・研究開発・物流・販売拠点として機能を拡充してきた。今回生産能力の増強が決定した高純度アンモニア水は、高純度・高品質で韓国内の大手顧客から高い評価を受けており、タンクローリーで益山から主要半導体製造工場や半導体基板製造工場などへ搬送されているという。

住友化学の半導体製造向け材料は、日本のほか、東友ファインケムの韓国の平澤工場と益山工場の2拠点、中国でも住化電子材料科技(西安)および住化電子材料科技(常州)が製造・販売を行うなど、供給体制をグローバルに構築しており、今後も継続して高品質な製品の安定供給を継続するために需要に応じて供給体制を整備し、Society5.0に代表されるスマート社会やスマートモビリティの実現に欠かせない半導体産業の発展に貢献していくとしている。