ソニーセミコンダクタソリューションズは9月6日、車載LiDAR向けに積層型直接Time of Flight(dToF)方式を採用した1/2.9型で有効約10万画素のSPAD距離センサ「IMX459」を商品化すると発表した。
自動車のより高度な運転の実現に向け、高精度で検知・認識が可能なLiDARの小型・低コスト化や高性能化が求められている。SPAD画素は、LiDARの測距方式の1つで、光源から対象物に反射して戻ってくるまでの光の飛行時間(時間差)を検出することで距離を測定するdToF方式の受光素子として知られる。同製品は、裏面照射型のSPAD画素を用いた画素チップと、測距処理回路などを搭載したロジックチップをCu-Cu接続を用いて積層、画素部の下に回路部を配置することで、10μm角の微細な画素サイズながら開口率を維持しつつ、光の入射面に凹凸を設けることで入射光を回折させて吸収率を高めており、これにより、905nmの波長に対して、24%という光子検出効率を実現。また、画素ごとにCu-Cu接続した回路部に、アクティブ・リチャージ回路を搭載することで、一光子あたりの応答速度を通常時約6nsとしており、これらの技術により、遠距離から近距離までを、15cm間隔で高精度かつ高速に測距することを可能にしたという。
最大検知距離は300mで、その際の距離精度は3画素×3画素 加算モードで30cm、6画素×6画素 加算モードで15cmとしている。
また、自動車向け機能安全規格「ISO 26262」に準拠した開発プロセスを導入し、故障検知、通知、制御などの機能安全要求レベル「ASIL-B(D)」に対応しているほか、自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100」の「Grade2」も取得予定だという。
なお、同製品のサンプル出荷時期は2022年3月を予定しており、サンプル価格は1万5000円としている。