Infineon Technologiesは、USB Power Delivery(USB PD)3.1に対応する高電圧マイクロコントローラ(マイコン)「EZ-PD PMG1(Power Delivery Microcontroller Gen1)ファミリ」を発表した。

同製品ファミリは、最大28V(140W)の高電圧での電力供給に対応したマイコンで、同社の第1世代USB PD MCUに位置づけられている。市場で実証済みのUSB PDスタックを統合することで、信頼性の高いパフォーマンスと相互運用性を実現しているほか、最大256KBのフラッシュメモリと32KBのSRAMを搭載したArm Cortex M0/M0+プロセッサ、USBフルスピードデバイス、プログラマブルなGPIOピン、ゲートドライバ、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ、高電圧保護回路に加え、過電圧保護、過電流保護、短絡保護、逆電流保護、セキュアなファームウェアブート、署名付きファームウェアアップデートなど、ハードウェアおよびファームウェアの保護機能も備えているという。

また、プログラマブルなアナログおよびデジタルブロックを搭載することで、設計者は使いがってが向上しており、インテリジェントなアナログセンサを容易にカスタマイズしてアプリケーションに組み込むことも可能なほか、フィールドプログラマブルで、署名付きのファームウェアアップデートが可能なため、効率性の向上も図ることが可能だという。

USB PDは2021年5月、USBプロモーター・グループにより、Revision 3.1規格がリリースされ、28V(100W~)、36V(140W~)、48V(180W~)が追加された。同製品ファミリは、こうした動きに対応するための同社の第1弾の取り組みで、まずはターゲットとしているコンシューマ品、中でも電動工具などの30V以下のアプリケーションへの活用に向けて開発されたとのことで、今後、さらなる高電圧対応技術の開発を進めていくことで、将来的には36V対応品や48V対応品などの提供を図っていきたいとしている。

なお、同製品ファミリは64KB Flash/8KB RAM品の「PMG1-S0」、128KB Flash/12KB RAM品の「PMG1-S1」、128KB Flash/8KB品の「PMG1-S2」(いずれもArm Cortex M0を搭載)、256KB Flash/32KB RAM品の「PMG1-S3」(Arm Cortex M0+を搭載。48QFNパッケージと97BGAパッケージの2種類が用意)がラインアップ。順次、提供が開始されており、PMG1-S3に関しては2021年第4四半期の量産開始が予定されているという。

  • EZ-PD PMG1

    EZ-PD PMG1ファミリのパッケージイメージ