Texas Instruments(TI)は、電気自動車(EV)向けにASIL-Dの認定を受けたワイヤレス・バッテリ・マネジメント・システム(BMS)ソリューションを発表した。

同ソリューションは、バッテリモニタとバランサの機能を提供するASIL-D準拠の「BQ79616-Q1」とワイヤレスマイコン「SimpleLink CC2662R-Q1」を組み合わせたもの。専用の独自無線プロトコルを活用することで、ASIL-Dに求められるセキュリティ性などを実現したとのことで、何らかの不具合がシステムに生じた場合であっても、300ms以内にネットワークの再起動を果たし、システムの再接続を可能だとしており、これは有線接続の場合と比べても遜色のない復帰速度だと同社では説明している。

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  • 今回発表されたワイヤレスBMSソリューションの概要

組み合わせとしては、CC2662R-Q1を搭載したマスターノードに対し、各電池モジュールにBQ79616-Q1とCC2662R-Q1を搭載。マスターノードとモジュール間のやり取りを無線で行う。同社ではワイヤレス化することで、ワイヤハーネスの量を減らせるとしており、これにより車体の軽量化を果たし、結果として走行距離を延ばすことができるようになるとしている。

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    ワイヤレス接続の概要

なお同社は、ユーザーはSimpleLinkワイヤレスBMSソフトウェア開発キット(SDK)と、999ドルのSimpleLinkワイヤレスBMS評価モジュール「CC2662RQ1-EVM-WBMS」を利用することで、すぐに設計に取り掛かることができるとしている。

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    ワイヤレスBMSソリューションを構成する各製品の概要