半導体市場調査会社の台TrendForceが、2020年第3四半期(7~9月期)におけるファブレスIC企業の売上高ランキングトップ10を発表した。

それによるとトップはQualcommで、その売上高は前年同期比37.6%増の49億6700万ドル。AppleのiPhone 12のリリースに伴う5GモデムとRFチップの需要増が売り上げの伸びを後押ししたほか、同社のメイン顧客である電子機器メーカーがコロナ禍の市場の混乱を懸念して在庫を積み増したこと、5G RFコンポーネントの需要が徐々に高まってきていることなどもあり、ライバルのBroadcomの売り上げを抜き、首位に返り咲いたという。

2位に転落したBroadcomは、クラウド、ワイヤレス、ネットワーキング製品の需要の増加により、6四半期連続の前年同期比での売上高のマイナス成長から立ち直り、売上高は同3.1%増の46億2600万ドルとなった。また、同社もiPhone 12シリーズのチップサプライヤであり、その恩恵を受けたといえる。

3位はNVIDIAで、同四半期の売上高は買収したMellanox分も含めた結果、同55.7%増の42億6100万ドルとなり、トップ10中もっとも高い成長率となった。4位はMediaTekで、主力の5G向けSoCがHuawei、Xiaomi、OPPO、vivoの4大中国スマホメーカーに採用されたこともあり、売上高が同53.5%増の33億ドルと好調を維持した。5位はAMDで、ノートPC、デスクトップPC、データセンター、ゲーム機など各市場いずれも好調を維持。売上高も同55.5%増の28億100万ドルと競合であるNVIDIAと肩を並べるほどの成長率を達成している。

トップ10中、6社が前年同期比で30%以上成長率を達成したが、XilinxとDialogの2社はマイナス成長となっており、勝ち組と負け組がはっきりと分かれた四半期となった。その勝ち組の中でも、台湾勢は勢いがあり、MediaTekのほか、7位のRealtekも同47.9%増、8位のNovatekも同40.4%増といずれも前年同期で後塵を拝したMarvellを抜いて順位をあげることに成功している。

  • 2020年第3四半期ファブレスIC企業ランキング

    2020年第3四半期(7~9月期)のファブレスIC会社の売上高ランキングトップ10 (出所:TrendForce)

マイナス成長となったXilinxは、米中貿易戦争により、ネットワーキングと通信分野での売上高が同37%減となり、足を引っ張る結果となった。同じくマイナス成長のDialogは、カスタムミクスドシグナル製品の売上高が同19.6%減と不振で、全社売り上げの低調な結果を招くこととなった。

米中貿易戦争とコロナ禍におけるデジタル化の恩恵を受けた企業と受けない企業の明暗が分かれたのが2020年第3四半期と言えるだろうが、TrendForceでアナリストを務めるC.Y.Yoo氏は、2021年を見据えて、「ファウンドリ各社は、業界全体の極端な生産能力不足と、米中貿易戦争、そして新型コロナによる将来の不確実性を考慮して、生産受託価格を引き上げ、それを受けてファブレス各社も価格を上昇させる可能性があり、それに伴い、各社の売上高も高まるのではないかと」との見方を示している。