海水からリチウムだけを取り出す技術

原型炉R&D棟では、ブランケットに使用するベリリウム金属間化合物製造設備やRI実験室、材料実験室などを見ることができた。原型炉R&D棟では、リチウム回収技術開発も進められており、海水からリチウムのみを回収する特殊膜の開発に成功済みでパイロットプラントが計画されている。また使用済みリチウム電池のリサイクル事業を見据えた研究も進められており、すでに述べたように派生産業への動きが分かりやすい。ともあれロードマップも見ると、2020年以降に本格的に稼働する印象が強くあった。

  • 六ヶ所核融合研究所

    ブランケットの仕組み

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    ブランケットのサンプルモデル

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    特殊膜

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    回収システムの試作機。イオン伝導体を利用し、電気を発生させつつ、海水からリチウムを分離できる

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    RI実験室。トリチウムの計量・分析技術開発や材料との相互作用を探る

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    トリチウムを取り扱うグローブボックス

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    測定器も確認できた

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    トリチウム水試料採取装置。今後使用されるもの

取材時、ITER用ブランケット開発棟の建設が始まろうとしていた。2022〜2023年までに完成の予定で、冒頭で触れたロードマップを踏まえると、今後、より大きな動きが続いていくため、折りを見てレポートしていければと思う。