Q-Successは5月16日(米国時間)、「Support for the QUIC protocol has quadrupled in the last year.」において、昨年1年間でQUICプロトコルの利用率が4倍に増加したと伝えた。QUIC (Quick UDP Internet Connections)はトランスポートレイヤネットワークプロトコル。Googleのエンジニアよにって設計されたプロトコルで、レイテンシの大幅な短縮とスループットの改善を実現し、通信パフォーマンスを向上させる方法として期待されている。

  • QUICプロコトルの使用割合推移グラフ - 資料: Q-Success提供

    QUICプロコトルの使用割合推移グラフ - 資料: Q-Success

QUICはUDP (User Datagram Protocol)を使って2つのエンドポイント間を多重接続することで通信を行うという特徴がある。これはHTTP/2とも相性がよいと考えられている。また、カーネルで実装されるのではなく、プロトコルスタックそのものは単一のアプリケーションで使用されることが想定されており、アプリケーション空間で実装されるという特徴がある。

QUICはGoogle ChromeおよびChromiumに実装が取り込まれているほか、Operaにも機能が導入されている。また、Googleがサービスを提供しているサーバもQUICに対応しているほか、2018年にはFacebookもHTTP-over-QUIC接続のサポートを始めた。

2019年5月の時点ではすべてのWebサイトのうち3.2%がQUICをサポートしていると考えられている。しかし、これまで低い割合が長く続いていたことを考えると、今回の大幅な増加に続いて今後もQUICプロトコルの利用が増える可能性があり、今後の展開が注目される。