Microsoftは7月22日(米国時間)、統合開発環境「Visual Studio Code」の新版となるバージョン1.130を公開した。今回の更新では、GitHub CopilotやClaude、CodexなどのAIエージェントを支える実行基盤を刷新したほか、変更確認の効率化やチャット画面の改善、長時間タスクでの承認回数削減など、多数の改良を実施した。
Copilot・Claude・Codexを支える新しいagent hostへ移行
主要な変更は、エージェントセッションを「agent host」を中心とする構成へ移す取り組みだ。agent hostは、Agent Host Protocol(AHP)に基づき、GitHub Copilot、Claude、Codexなどのエージェントハーネスを実行するプロセスとして機能する。
新構成では各セッションが独立したプロセス内で動作する。この仕組みにより、同一のエージェントセッションを複数のVisual Studio Codeウィンドウから表示できるようになる。Microsoftは、エディター画面とプレビュー提供中の「Agents」画面を対象に、agent hostを段階的に展開している。通常の提供開始を待たずに利用したいユーザーには、手動で有効化するための案内も用意している。
Agents画面では、エージェントが加えた変更を確認し、チャットセッションを管理する機能が拡充された。変更エディターの各ファイルの見出しには、追加行数と削除行数がリアルタイムで表示される。利用者はファイルを開く前に、変更規模を把握しやすくなる。
複数ファイルの差分表示も改良された。コードの前に生じていた空白を抑えたコンパクトなガターを採用し、一度に確認できる情報量を増やした。agent host上で動くクイックチャットは、セッション一覧で単一行の簡潔な形式に変更され、複数の会話を見分けやすくなった。
作業ツリーを分離するworktree機能は、agent host上で動作するすべてのエージェントハーネスに対応した。Agents画面の「New Worktree」チェックボックスは従来、Copilotハーネスだけで利用できたが、バージョン1.130ではClaudeやCodexを含むほかの対応ハーネスでも使用可能となる。エージェントごとに独立した作業環境を確保し、既存の作業内容との衝突を避けやすくする狙いがある。
VS Code、AIが危険度を判断 承認を減らしGit操作も改善
長時間のエージェントタスクを扱う利用者に関係する変更として、「assisted permissions」機能も導入された。従来、エージェントがツールを呼び出す際には、処理内容に応じて利用者の承認を何度も求める場合があった。新機能では、言語モデルが各ツール呼び出しの危険度を評価し、自動実行できる処理か、利用者による承認が必要な処理かを判断する。
Microsoftによると、この仕組みはエージェントタスク中の承認による中断を減らすためのものだ。すべての処理を無条件で許可するのではなく、ツールの危険度を個別に判定することで、操作上の安全性を保ちつつ、規模の大きなタスクを継続しやすくする。
ターミナルやGit差分に表示されるファイルパスの扱いも改善された。Visual Studio Code 1.130は、Git差分内で使われる「i/」や「w/」などの記号付きファイルパスをクリック可能なリンクとして認識する。「i/」はインデックス、「w/」は作業ツリーを示す接頭辞で、Visual Studio Codeはリンクを開く際に接頭辞を取り除き、対応するファイルを表示する。
ニーモニック接頭辞を有効にしている場合は、「git diff --no-index」が生成する「1/」と「2/」の数値接頭辞にも対応する。Gitが出力したパスを手作業で読み替えたり、対象ファイルを別途検索したりする手間を抑えられる。
Visual Studio Code 1.130は、既存ユーザーにはアプリケーション内の更新機能を通じて順次提供される。Visual Studio Codeを導入していない利用者は、新版をMicrosoftの配布ページから取得できる。
