2017年11月15日から17日にかけて、パシフィコ横浜にて開催されている最先端の組込技術/IoT技術にフォーカスした総合技術展「ET 2017」「IoT Technology 2017」において、サイプレスは最新世代PSoCとなる「PSoC 6」に関する各種デモ展示のほか、車載マイコンやWICEDを活用した無線ソリューションのデモ展示などを行っている。

PSoC 6はCortex-M4コアとCortex-M0+コアのデュアルコア構成となったほかBluetooth low energy(BLE)を搭載したハイエンドPSoCとも言うべき製品。今回のデモは大きく3種類で、1つ目が同社の開発ツール「PSoC Creater」ではなく、IARシステムズの統合開発環境「IAR Embedded Workbench for Arm」でのデバッグが可能となっていることを示すデモ。2つ目がウェアラブルソリューションに向けたデモ。そして3つ目がマルチマイクビームフォーミングを活用した音源方向検出デモとなっている。

PSoC 6を用いたウェアラブルソリューションのデモ。基板の裏面にバッテリーが貼り付けられており、単独での動作が可能となっている

音源方向の検出デモは、位相演算をCortex-M4で行い、実際の方向を表示するUI制御をCortex-M0+で行うというもの。

音源方向特定デモの様子。音源の方向はLEDまたはLCDパネル上にて示している。展示会場のさまざまな音を拾ってしまい、方向を特定できないため、スピーカからの音源を用いてデモを実施している

また、IAR Embedded Workbench for Armは、PSoC Createrとは異なり、同時にCortex-M4とCortex-M0+のデバッグが可能なツールとなっている。

「IAR Embedded Workbench for Arm」でのデバッグの様子。Cortex-M4側とCortex-M0+側の両方を同時にデバッグすることができる

車載マイコンのデモとしては、クラスタの表示デモも行われているが、サウンド処理のデモも見ることができる。音源としては、外部のROMに格納されたPCMのほか、正弦波や矩形波などを活用することが可能で、これにより1チップのマイコンで、表示処理と同時に方向指示などの音処理を実現できるようになる。

車載マイコンのデモ。1チップマイコンでのクラスタ表示のほか、音源作製も可能となっている

このほか、WICEDの活用としては、Wi-Fiソリューションを用いたAlexaのデモで、Alexaに音楽の再生を指示すると、タブレットに登録されている音楽がルータ(アクセスポイント)を経由して複数のスピーカーに無線LANで送信されるというものとなっており、こうしたWi-Fi機器の同期サンプルなどもすでにWICEDに用意されているという。

Alexaを用いたWi-Fiデモの様子。実は会場内にWi-Fiが飛び交っているため、混線が生じやすく、上手く動いたり動かなかったりといった状態なので、デモを見たい人はその点を注意したほうが良いだろう