東芝および東芝メディカルシステムズは4月9日、ベルギーに本社を置くIon Beam Applications S.A.(IBA)と戦略的な協力関係を構築することに合意し、契約を締結したと発表した。

IBAは、陽子線がん治療システムで欧州、北米、アジアで多くの実績があり、シェアは50%以上で世界No.1だという。今回の契約により、東芝メディカルシステムズがIBAの陽子線治療システム「Proteus ONE」の国内販売および保守・サービスを行い、IBAが東芝の重粒子線治療システムの海外展開に協力していくこととなる。なお、IBAの陽子線治療システムは今後、日本で医薬品医療機器等法の承認申請を行う予定だ。

東芝はこれまで、放射線の一種である重粒子(炭素イオン)線をがんにピンポイントで照射する治療システムを開発・製造し、国内の2施設から受注している。今回IBAと協力契約を結んだことで、重粒子システムの海外展開を加速するとともに、国内における製品ラインアップにIBAの治療システムが加えることでより幅広いニーズに応え、がん治療事業の拡大につなげていきたい考えだ。