ゼットエムピー(ZMP)は11月22日、同社が2011年1月から販売中のEVや次世代自動車の研究・開発用カーロボティクス・プラットフォーム「RoboCar MEV」(画像1)の四輪駆動モデルの販売を開始することを発表した。同日より受注開始となり、納期は約3カ月となっている。

RoboCar MEVはひとり乗り、もしくはふたり乗りの1/1スケールのカーロボティクス・プラットフォーム。今回の四輪駆動モデルは、後輪駆動のRoboCar MEVに「前輪駆動制御ユニット」を加えた構成となる。ユーザーの手で前輪駆動制御ユニットを実装することで、四輪共に独立して制御可能なインホイールモータを備えた四輪駆動車となるわけだ。

RoboCar MEVに前輪駆動制御ユニットを実装した際のシステム構成は画像2の通り。四輪を独立して制御するソフトウェアを開発できることから、悪路での安定走行を実現するための運転支援技術の研究開発などに適したプラットフォームといえる。

なお、ベース車両はRoboCar MEV TypeAで、ステアバイワイヤ搭載モデルのTypeB、それに加えて自動ブレーキシステムも搭載したTypeCも選択可能

前輪駆動制御ユニットのスペックは以下の通り。

  • モータ:三相交流モータ
  • モータ定格出力:0.29kW×2
  • ホイールエンコーダ:非接触磁気式
  • エンコーダ分解能:2.5°(タイヤ周上で10mm)
  • 制御周期:10ms
  • 通信規格:CAN
  • 価格:499万8000円

画像1。RoboCar MEV。現在はレンタルも行われている。トヨタ車体製EV「COMS」をベースにした「RoboCar MEV-C」や、1/10スケールの「RoboCar 1/10」などのラインナップもある

画像2。RoboCar MEVに前輪駆動制御ユニットを追加した際のシステム構成