この半導体ニュースのまとめ
・NVIDIAとSKグループがAIファクトリアーキテクチャ開発で協業
・SK TelecomがNVIDIA Omniverseを活用してSK hynixの半導体工場にデジタルツイン環境を構築
・SK hynixはNVIDIAのAIインフラロードマップに沿う形のメモリ開発を推進
NVIDIAとSKグループがAIファクトリ構築で協業
NVIDIAのジェンスン・フアンCEOと韓SKグループの崔泰源 会長は6月8日、両社で次世代AIファクトリアーキテクチャ開発に向けた研究を進める計画を発表した。インフラ展開にとどまらない協力関係を拡大する。
協業に基づき両社は、アクセレーター、半導体メモリ技術、データセンター運用など幅広い研究で協力するほか、効率的で拡張性が高く、回復力のあるAIサービス実現に向けたAIファクトリの最適化プロジェクトを立ち上げるとする。手始めにSK Telecom(SKT)が韓国にギガワット規模のAIファクトリを構築し、2027年より稼働させるとしている。
AIファクトリは「データの取りこみから学習、ファインチューニング、大規模推論に至るAIのライフサイクル全体を管理し、データから価値を創造するために専用に設計されたコンピューティングインフラ」の拠点だという。
SKTのAIファクトリは、NVIDIA DSXのソフトウェア、ハードウェア、運用を含むフルスタック・リファレンスアーキテクチャに基づいており、エネルギー効率を高めながら低コストのトークンを生成することで韓国全土の企業や業界のさまざまなAIワークロードを支え、将来的にはアジア全域への拡大を目指すものとなるとする。
すでにSKTは、GTC TaipeiにてNVIDIA Omniverseライブラリを活用して、SK hynixの半導体工場にデジタルツインを適用する取り組みを発表している。また、4月には韓国政府の主権AI基盤モデルプロジェクトの一環として、オープンソースのNVIDIA Nemotronデータセットを採用し、AX K1モデルのトレーニングに活用していることを明らかにしている。
さらに、提携に基づきSKTがNVIDIAクラウドパートナーとなり、NVIDIAの最新AIインフラ、ソフト、開発者エコシステムを活用して、AIクラウドサービスを通じた優れたAIパフォーマンスと経済性を実現するグローバルプログラムに参加することも決めたという。
NVIDIAとSK hynixがAIファクトリ向けメモリ技術で協業
SKグループ全体とは別にSK hynixがNVIDIAと、NVIDIAのAIインフラロードマップに沿った次世代メモリの複数年にわたる技術提携を発表した。AIファクトリの世界的な構築支援に向けて、長期化する開発サイクル、高度な製造技術、および設備投資に対応するものだという。
この取り組みに基づきSK hynixは、NVIDIA CUDA-XライブラリとNVIDIA PhysicsNeMoを使用して半導体シミュレーション、TCADワークフロー、および社内エンジニアリングコードを高速化し、AIを半導体の設計と製造に適用する予定だとするほか、NVIDIA Omniverse、OpenUSD scene optimization、NVIDIA cuOptを組み合わせることで、工場のデジタルツインを発展させ、完全自律型のファブ操業を目指すという。
また、今回の複数年契約に基づき、NVIDIAのインフラロードマップに追従する形でのメモリ供給が実現されることとなり、NVIDIAが推進するAIインフラ、パーソナルAI、フィジカルAIなどといったさまざまな市場をターゲットとしたNVIDIA Vera Rubin AIスーパーコンピュータ、NVIDIA Vera CPU、NVIDIA RTX Spark搭載PC、ロボットコンピューティングプラットフォーム向けメモリの開発につながるともしている。