エコジョーズの交換費用はどのくらい？号数の選び方やメリットデメリットも把握しておこう！

エコジョーズとは？

エコジョーズとはどのような仕組みなのか、従来の製品とは何が違うのでしょうか。エコジョーズの仕組みと特徴のほか、普及した背景も簡単に紹介します。また、エコジョーズの利用が向いている家庭の特徴についても合わせてチェックしていきましょう。

エコジョーズの仕組み

エコジョーズは省エネ効率が高い給湯器であり、ガスを使ってお湯を沸かす仕組みはこれまでの給湯器と同様です。しかし、これまで発売されていた給湯器と比較して使用するガスの量が少ないため、効率的にお湯を沸かせます。

さらに、従来の給湯器では排出されていた熱を利用することで、熱効率も高くなりました。

排熱を使う仕組みの給湯器はコンデンシングボイラーと呼ばれます。コンデンシングボイラーで、LPガスや都市ガスを使う種類の給湯器を通称エコジョーズと呼ぶことが特徴です。

また、エコジョーズはお湯切れをしないことや、お湯を直接飲めることなども魅力です。お湯切れや直接お湯を飲めないことに不便だと感じていた方は、エコジョーズを選択するケースが多いです。ただし、エコジョーズは導入費用が高くこれまでのガス給湯器より本体価格が上がります。

さらに、エコジョーズは二酸化炭素の排出量やガスの使用量を10%以上削減できており、待機電力はこれまでのガス給湯器と比べて約およそ40%削減できる製品もあります。

節約でき、地球にも優しいことから、経済産業省資源エネルギー庁も認めています。

省エネ効率が非常に良いことや国内全体で省エネが意識されるなかで、エコジョーズの需要が増えています。

エコジョーズは2005年には導入台数が30万台未満でしたが、2008年には100万台、2012年には300万台、2016年以降に700万代以上に増加しています。

なお、エコジョーズではドレン排水と呼ばれる排水を出すことになり、専用の工事を行わなければなりません。ドレン排水は、エコジョーズから排出される酸性の水です。しかし、エコジョーズのなかには無塩中和器が搭載されており、中和されてから排出されるため問題はありません。そのため、ドレン排水の配管工事は必ず行わなければならず、排水工事ができないところにはエコジョーズを設置できないため注意が必要です。

＞関連記事：中和器はどんな部品？DIYの手順や注意点を解説

エコジョーズをおすすめしたい家庭

基本的に、都市ガスはプロパンガスと比較してガス代が高いことが特徴です。プロパンガスを使っている家庭はエコジョーズに変更することによって、ガス代を節約できます。東京ガスといったガス会社は、エコジョーズに特化したプランを用意しており、ガス代を節約したい方におすすめです。

さらに、湯船に浸からずシャワーのみで済ませている方や環境に配慮したい方、省エネ意識が高い方、日中に電気を使用する家庭や電気の使用量が多く暖房を使う家庭、世帯人数が多い場合にもおすすめです。

エコジョーズは瞬間給湯システムのため、すぐに立ち上がりお湯切れしないことがメリットです。湯船に浸からずシャワーのみの短時間で入浴を済ませる方は、お湯を使う際のストレスがなくなるでしょう。排熱を使って給湯をするため、ほかの給湯器と比較してガスを使う量が少なく、二酸化炭素の排出量も少ないです。環境を意識した生活をしたい方、省エネに興味がある方で省エネタイプの給湯器が良い場合はエコジョーズがおすすめです。

近年では、リモートワークで昼間自宅にいるという方も多いのではないでしょうか。オール電化やエコキュートを使う際は深夜電力プランを契約することが多いです。オール電化やエコキュート向けのプランは、23時から朝の7時までの時間帯が電気代が安いため、日中の電気代が割高になっています。

日中も自宅で仕事をしている方や、家族が日中自宅にいる場合にはオール電化でも光熱費節約のメリットは実感できないケースが多いでしょう。日中に自宅に家族がいる場合は、オール電化だと光熱費の高くなるため、日中に長時間自宅で過ごす方がいるばのであれば、エコジョーズのほうがお得です。

また、エコジョーズは暖房と給湯1台でできるため、床暖房も使用したい家庭におすすめです。ヒートポンプタイプの床暖房と比較して部屋が温まる速度もスピーディーで、冬の寒さが厳しい地域で床暖房を使いたい場合にも便利でしょう。

ほかにも、世帯人数が8人以上と多かったり、入浴する時間帯が家族全員異なるため追い焚きをする、シャワーの使用量も多いといった場合は、お湯の量を意識せずに使えるエコジョーズがおすすめです。

エコキュートはお湯が足りなくなった場合に自動沸き増しができますが、日中は電気代が割高であり、何度もお湯切れをすると電気代が高くなります。お湯の量を意識せずに使用したい方には、エコジョーズが良いでしょう。

エコジョーズの選び方

給湯器を新しく購入したい、交換したい場合でエコジョーズを導入したいと考えても、どのように選べば良いのか、何をチェックすれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。エコジョーズに交換したい場合には、現在使っている給湯器のサイズや世帯人数から選ぶ方法が有効です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

既存の給湯器の号数と同じものを選ぶ

エコジョーズの選び方に迷っている場合は、現在使っている給湯器と同じ号数のものを選びましょう。号数が同じものに交換すると、費用や工事期間が節約できます。

給湯器の号数を大きくすると、配管を取り替えるといった工事をしなければならないことがあります。

工事の時間や費用がかかっても良い場合には、号数が違うものを選んでも良いですが、お湯を使う際に不便だと感じていないのであれば号数が同じ物に交換するのがおすすめです。

給湯器は、同時に排出するお湯の量に制限があります。同時に出すお湯の量は号数で表されており、号数はサイズを表します。号数は水温+25度のお湯を1分間にどのくらい出せるのかを表したものです。

例えば、20号だった場合は水温＋25度のお湯を、1分で20リットル出せます。そのため、号数（サイズ）が大きければ、出せるお湯の量も多くなります。給湯器の号数は、給湯器本体に記載されている型番を確認しましょう。

型番の数字の、頭数字の最初の桁が号数です。現在使用している給湯器でお湯が出にくい場合や、家族の人数が増えた、減ったといった家庭では、号数の変更も検討しましょう。

給湯器の号数が上がるとガス代も高くなるのではと考える方も多いですが、号数を高くしてもお湯を使う量が大きく変わらなければガス代も変わりません。電気代や水道代は、契約しているアンペア数や呼び径を変えると基本料も変動しますが、ガス代はガスを使った量に合わせて基本料金と従量料金が変わるためです。

しかし、号数を高くして同時に使用できるお湯の量が増えると、多くのお湯を使用してしまいガス代が高くなることはあるでしょう。なお、号数が低かったとしても、長い時間お湯を使い続けるとガス代がかかるため注意しなければなりません。

世帯人数やお湯の使用量から選ぶ

給湯器の号数は、不便だと感じていない場合には変更しなくても良いでしょう。給湯器の号数が大きくなるとガス代が変わるわけではありませんが、給湯器そのものの価格が高くなります。しかし、給湯器を交換する時期に家族が増える、もしくは子供が独立して家族の人数が減るという家庭は、給湯器の号数を変更しましょう。

世帯人数によって、どのくらいの号数が良いのかを選びます。

一人暮らしや夫婦・カップルの場合

一人暮らしの場合は、入浴中に台所でお湯を使用することがないため16号、二人暮らしでも同じく、使う時間帯を少しずらすだけでお湯を使う際に不便に感じることはないため、16号で良いでしょう。

3人暮らしの場合

3人暮らしの場合、16号でも良いですが、子供が小さい家庭はお風呂に一緒に入る時間が長くなることもあるでしょう。号数が小さいエコジョーズを選択すると、子供をお風呂に入れている際に食器洗いや調理など、同時にお湯を使いにくくなります。不便さを感じないようにするためにも、20号程度にするのがおすすめです。

家族が4人以上の場合

家族の人数が4～5人の場合、24号以上の給湯器がおすすめです。20号でもお風呂場と台所でお湯を使うことは可能ですが、水圧が弱くなることがあります。ストレスを感じないためにも、大きな号数を選ぶと良いでしょう。

加えてご自宅の配管・ガスメーター・居住形態を確認！

つまり、給湯器の号数を選ぶ際は、家族の人数だけではなく、どのくらいお湯を使うのかも加味して検討することがポイントです。

ただし、自宅のガス設備次第で、号数を変更できないことがあります。

さらに、アパートやマンションは管理会社に相談する必要があります。

給湯器の号数は、配管やガスメーターといった設備によって制限されることがあるためです。配管の太さや、ガスメーターの機能が足りていないと、号数をあげても給湯量が変わらないケースもあります。

給湯器と同じようにガスメーターにも2.5号、4号、6号、8号があります。一般的に家庭で使用されるのは4号や6号ですが、4号のガスメーターは20号までの給湯器しか適用しないため、24号のエコジョーズを導入したい場合には設置しているガスメーターの号数も確認しましょう。

また、ガス管が給湯器のサイズに適用するかどうかも重要です。例えば、16号の給湯器に適用する細い配管の場合は、24号のエコジョーズは使用できません。配管工事をしなければならないと、設置までにかかる期間や費用も高くなるため注意が必要です。

加えて、アパートやマンションといった集合住宅に住んでいる方は、給湯器の号数を変える場合、管理会社に相談しなければなりません。集合住宅そのもののガス供給量の関係で、号数を変更することや号数を上げることは禁止としていることがあります。そのため、管理規約を確認して、管理会社に相談をすることが大切です。

エコジョーズの交換にかかる費用

エコジョーズの機能や号数別の費用相場を紹介します。また、補助金制度や初期導入の際の注意点も合わせて見ていきましょう。

機能・号数別の費用相場

同じ号数でも、機能の違いによって費用相場にも差が生じます。機能としてはシンプルな給湯専用のほか、オートタイプや自動沸き上げができるフルオートタイプなどに分かれます。機能性と号数別の費用相場は次のとおりです。

形の同じタイプの給湯器でも、業者ごとに割引が適用されることがあります。そのため、具体的な価格は依頼する業者に確認しましょう。

水道局指定業者といわれている指定給水装置工事事業者だと安心して依頼することができます。

以下に、水道局指定で見積もり料金無料のおすすめ業者を表にまとめていますので、参考にまずは公式サイトを確認して相見積もりをしてみてくださいね。

業者	水道局指定	見積もり	即日対応	修理料金	交換料金	公式サイト
イースマイル	◎	無料	◎ 最短20分	◎ 14,300円～ (部品代込)	◎ 38,500円～ ＋商品代	詳細
ハウスラボホーム	◎	無料	◎ 最短20分	◎ 11,000円～ (部品代込)	◎ 33,000円～ ＋商品代	詳細
キンライサー	◎	無料	△ 当日・翌日	× 修理不可	◎ 38,500円～ ＋商品代	詳細

※水道局指定業者はお住いの市区町村の水道局指定かご確認ください。
※対応エリアは一部市区町村を除く場合があります。詳細は公式サイトでご確認ください。

補助金制度

日本を含め先進国は、地球温暖化防止を目指し、国がいくつもの取り組みを実施しています。エコジョーズに対する補助金制度も地球温暖化防止の取り組みのひとつとして行われていました。エコジョーズは従来のガス給湯器と比較して効率よくお湯を沸かせるため、二酸化炭素排出量がを削減できます。

従来のガス給湯器からエコジョーズに買い替えを勧めることによって、地球温暖化防止に役立つため、国から補助金が出ていました。

しかし、現在は国の補助金制度が終了しています。インターネットサイトでは国の補助金制度があった頃の情報が掲載されていることがあるため、現在でも国からの補助金が出るのではと考える方も多いですが、平成22年度で終了しているので注意しましょう。

国の補助金制度は終了しているものの、自治体が独自の補助金制度を設けていることがあります。

東京都や北海道の一部地域では、条件を満たせば補助金の利用が可能です。

また、自治体独自の補助金制度は地域ごとに名目が異なり、以下のようなものが挙げられます。

さらに、支給額も地域ごとに異なり、鹿児島県水俣市の補助金は補助金対象経費の2割、北海道網走市は補助金対象工事費の10%などと定めています。

補助金制度がない自治体が多いため、自分が住んでいる自治体にエコジョーズの補助金制度があるかをリサーチしましょう。また、直接役所に問い合わせる方法もあります。

初期導入時の注意点

エコジョーズは、仕組み上ドレン排水を適切に処理しなければなりません。酸性度が高いドレン水をそのまま流すと、建物や人間の体に害を及ぼすため、ドレン水を中和器で中和して害がない状態にする必要があるのです。

そのため、ドレン排水工事を行う必要があります。

一般的なドレン配管工事費は、2mまで1,000円、1m増えるごとに1,000円加算されます。また、排気筒接続工事費用が6,000～22,000円かかることもあるため、あらかじめ業者に確認しておきましょう。

なお、長期間使い続けることで中和器が経年劣化すると正しく処理できず、酸性度が高いままドレン水を排出することがあります。酸性度が高いままのドレン水はコンクリートや建物が腐食することがあるため、建物の劣化を防ぐためにも中和器の交換を行い、正しくドレン水を処理しなければなりません。

＞関連記事：中和器はどんな部品？DIYの手順や注意点を解説

エコジョーズのメリット

エコジョーズを導入することで、どのようなメリットを感じられるのでしょうか。経済的なメリットや、お湯を使う際に便利になるなど、魅力を紹介します。

光熱費を抑えられる

エコジョーズにすると、従来の給湯器と比較してガス代を抑えられることがメリットです。エコジョーズは、これまで排出されていた熱を使ってお湯を沸かす仕組みであり、お湯を沸き上げる際に使われるガスの量が少ないため、光熱費を抑えられます。使用しているガスの種類、世帯人数によって異なりますが、1年間で2万円ほど節約できます。

お湯切れの心配がない

タンク式給湯器は、タンクの内部にお湯がなくなると沸き上げなければなりません。しかし、エコジョーズは水道水を使うため、断水しなければお湯切れを起こすことはありません。例えば、親戚や友達が泊まりに来る場合や、家族の人数が増えた場合、冬にお湯を使う機会が増えてもお湯切れの心配がなく、お湯を使う際にストレスを感じにくいでしょう。

省スペースにも設置できる

エコジョーズは、これまでの給湯器と比較すると設置スペースを取らないことが特徴です。給湯タンクがなく本体もコンパクトのため、狭い場所にも設置しやすいです。戸建てのほか、マンションのベランダにも設置しやすいため、給湯器を購入したいものの設置スペースを確保できないという場合でも利用できる可能性があります。

飲み水にもなる

エコジョーズから給湯されるお湯は、そのまま飲めることがメリットです。エコキュートといったタンク式給湯器ではタンクに貯めているお湯を供給する仕組みのため、給湯タンク内の汚れがお湯に混ざる可能性があり、直接飲むのは控えた方が良いでしょう。しかし、エコジョーズは水道水を沸騰させお湯に変える仕組みのため、お湯をそのまま飲むことも可能です。設定温度を高くすれば、スープやカップ麺、コーヒーを入れる際などに役立ちます。

エコジョーズのデメリット

エコジョーズは、メリットだけではなくデメリットもあります。費用面や工事内容などで不安を抱きやすいこと、導入するとデメリットだと感じる可能性があることも確認しておきましょう。

導入費用が高い

エコジョーズにはいくつかの機種がありますが、メーカーによってランクが分かれています。シンプルな機能性のエコジョーズであれば、これまでの給湯器と価格に大きな差はないものの、機能性が高いものや効率性が高いものにすると、設置費用や本体の価格が高くなり数万円程度の差が生じるでしょう。従来のガス給湯器と機能性がほとんど変わらないものや、「エコジョーズだから」という理由で工事費用が高くなるケースもあるため、導入費用しっかりと調べる必要があります。

排水工事が必要

従来のガス給湯器は、暖房やお風呂などを含め最大で6本まで配管を床に通すことが可能でした。エコジョーズは、排気を冷やす際に出たドレン水という水滴を排水するための配管を設置しなければなりません。エコジョーズを屋内に設置する場合には、床に穴を開け、配管を通します。屋外の場合も、地面に配管を埋め込むための工事をしなければなりません。

マンションやアパートは、ドレン排水切替ユニットといった専用の機械を設置するケースもあります。大掛かりな排水工事が必要なのではと考える方も多いですが、現地調査をする際に排水管の場所を確認して、エコジョーズの設置工事の際に配管工事も同時に行います。工事は床下作業となるため、基本的に工事をしている様子を目にすることはありません。

使用量が少ないとあまり恩恵を受けられない

エコジョーズは、ガスの使用量が多く、ガス代が高い家庭のほうがメリットを得やすいです。そのため、ガス代の節約を意識していなかったりガスの使用量が少なかったりすると、節約効果を実感しにくいでしょう。

例えば、家族の人数が少なかったり毎日湯船につからずシャワーのみでお風呂を済ませている方は、節約効果を受けにくいです。エコジョーズに変更するための費用やランニングコストを考慮すると、損をすることもあるため、現在のガス使用量を確認しましょう。

まとめ

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