風呂釜とは?
風呂釜は、築年数の古い戸建て住宅やアパートでよく見られるお風呂の設備のひとつで、代表的なものといえばバランス釜があり、浴槽に溜まった水を沸かすために必要な釜です。
近年見られるバランス釜にはさまざまな機能が付いており、蛇口やシャワーが付属しているタイプも多く、安全性の面で安心して使えるものも多くなり、空焚き防止などの機能も頻繁に見られるようになりました。
給湯器を使った風呂がよく見られるようになりましたが、時代の変化とともに風呂釜の利便性・機能性も上がってきているのです。
しかし、やはり耐久性や故障時のリスクを考えると難点があることも事実で、ある程度長い期間使用していると、風呂釜からは異音・異臭がするようになったり、お湯がなかなか沸かなくなったりするなどの不具合が見られるようになります。
そういった不具合を放置することは、ガス漏れによる異臭騒ぎや火災、破裂による怪我などの重大事故を引き起こす要因となりえます。
そのため、目安となる交換時期はしっかりとチェックしたうえで、定期的に交換を行う必要があります。
風呂釜の寿命(耐用年数)は10年程度
風呂釜のメンテナンスについては、基本的に約10年のサイクルでの交換を目安として認識しておきましょう。
というのも、各メーカーは故障などのトラブルが起こることを考え、製品の部品を10年の期間を目安として供給しているためです。
また、実際に風呂釜の耐用年数も約10年が目安となっています。
つまり、一部の部品を交換や修理を行うには、そのモデルが販売されてから10年以内でないと、部品交換が難しくなる可能性があるということです。
そのため、使用している風呂釜の保証期間なども確認し、10年以内の故障・保証期間内であれば、一部の部品交換・修理を行い、前回の交換から10年以上経過していれば、全体の交換(買い替え)というように判断するのがおすすめです。
風呂釜の交換を検討すべき症状
風呂釜の交換を検討すべき症状としては以下のようなものがあげられます。
- 症状1.お湯がうまく沸かない
- 症状2.種火がつかない
- 症状3.着火する時に音がする
- 症状4.異臭がする
このような症状が見られた場合は、重大事故につながる前に早めに交換を検討していきましょう。
症状1.お湯がうまく沸かない
お湯がうまく沸かない場合は部品の不具合が考えられるため、交換を検討しても良いでしょう。
長く使っているものは徐々に内部部品から劣化していき、本来の機能を発揮できなくなることが多いため、電気系統に不具合も考えられます。
また、浴槽内のフィルターの汚れが原因となってお湯が沸かなくなっていることもありますので、一度きれいに清掃をしてみて、それで改善するかあらかじめ確認することも大切です。
症状2.種火がつかない
種火がつかないときは、着火装置そのものや、熱電体が壊れていることが原因として考えられるため、レバーを必要以上に回して種火をつけようと試すのは非常に危険です。
大きな事故につながる可能性があるため、自力で直すようなことはせず、業者への相談しましょう。
症状3.着火する時に音がする
長く使っている風呂釜は、経年劣化に伴って異音がするようになることも多く、着火する際に「ボン!」と大きな音がするようになったときは、熱交換器が故障している可能性があります。
このような故障はホコリや塵などの細かいゴミが詰まって引き起こされるため、業者に相談し点検や修理・交換を行うほうが良いでしょう。
症状4.異臭がする
風呂釜からの異臭もよく見られる不具合のひとつで、多くの場合、交換タイミングの近づいた古い風呂釜に溜まった汚れが異臭の原因となっています。
特に追い焚きの機能を使っていると、浴槽のお湯の中に含まれていた髪の毛や垢が風呂釜の中に入りやすくなり、汚れとして蓄積されてしまうのです。
このように汚れが溜まることは異臭につながるだけでなく、上のような内部装置の故障の原因にもなりますので、異臭が目立つようになったときも、できるだけ早めに交換を検討しておきたいところです。
風呂釜とガス給湯器を比較!特徴と費用
続いて、風呂釜とガス給湯器の費用について比較していきましょう。それぞれの種類や特徴もあわせて見ていきます。
風呂釜の特徴と費用
風呂釜にはガス風呂釜とバランス釜があり、ガス風呂釜は主に住宅の屋外に取り付けされているものです。
これに対してバランス釜は浴室内、浴槽の隣に取り付けされており、シャワーありのもの・なしのものでも種類分けできます。
交換にかかる費用は最終的にはケースバイケースで、交換する部品によって変わってきます。
ただ目安としては以下が相場となるため、交換を業者に依頼する際には前もってチェックしておきましょう。
- 部品/装置の一部を交換:6,000円~
- 買い替え・本体の交換:約15万円~
ガス給湯器の特徴と費用
ガス給湯器は追い焚き機能があるかどうか、またどこに設置するかで種類が異なるため、それによって交換費用も大きく変動します。
暖房機能付きの給湯器のように、機能性が高くなればなるほど交換の費用も高くなるといえるでしょう。
設置方法については、壁掛け、据え置き、パイプシャフト扉内設置型などがあります。また、号数にもよって給湯器は種類分けでき、費用は変わってきます。
交換費用の目安は、壁掛けタイプで約20万円~、据え置きタイプで約8万円~が相場です。
ちなみにガス給湯器の費用についてはこちらの記事も参考になると思いますので、ぜひ読んでみてください。
風呂釜の交換にかかる時間目安
風呂釜の交換にかかる時間の目安としては約2~4時間程度になります。
ただ不具合の程度や交換する製品によって工数が変わる可能性はあるため、場合によってはそれ以上に時間がかかることもあります。
また、当然ですが交換工事中は浴室が使用不可となるため、家族のスケジュールなども確認しながら日程を組む必要があり、業者側の都合もあるため、前もって業者にはよく確認しておきましょう。
ちなみに、風呂釜の不具合を機に給湯器に交換する場合は、工事におよそ1日かかります。
さらに大々的にお風呂をリフォーム工事する場合は、最大で2週間ほど時間がかかるケースもあります。
風呂釜の交換で注意すべき点
風呂釜の交換には専門資格が必要なため、資格や知識のない人が行うと大きな事故につながる恐れがあります。ご自身で風呂釜を分解したり交換したりすることは、決してしないようにしましょう。
たとえば、風呂釜の交換ではガス機器を取り扱うため、「ガス機器設置スペシャリスト」といった資格が必要です。「指定給水装置工事事業者」、「給水装置工事主任技術者」などの資格も、水回りの工事に必要な資格にあたり、実際に資格が設けられてから国内におけるガス機器設置におけるトラブルは減ってきています。
また、アパートやマンション、狭い場所での工事の場合は、特殊なケースになることも多く専門的な判断が必要となるため、風呂釜の交換や修理は業者に相談するようにしましょう。
見積もり無料のおすすめ業者をピックアップしましたので、ぜひ参考に相談してみてください。
風呂釜からガス給湯器の風呂へリフォームできる?
風呂釜からガス給湯器を使う風呂にリフォームすることは可能です。
前述のとおり風呂釜は、交換や修理を頻繁に行わなければならなかったり、浴室が狭くなったりするなどのデメリットがありますが、ガス給湯器の風呂は風呂釜と比べて使い勝手がよく、浴室のスペースも全体的に広がるのが特徴です。
実際に、風呂釜=古い家という印象は強く、築年数の古い集合住宅でもリフォームを行うだけでイメージは一変します。
風呂釜の交換を検討する際には、今後の利便性やコストパフォーマンスも考え、リフォーム工事を本格的に考えてみても良いかもしれません。
風呂釜交換か浴室リフォームか?それぞれのメリットを紹介
風呂釜交換のメリット | 浴室リフォームのメリット |
---|---|
・浴室リフォームと比べると工事費用は安い ・ガス代が節約できる |
・故障のリスクや頻度が低くなる ・お風呂が快適に使える |
風呂釜交換は、浴室のリフォームと比較すると工事費用は圧倒的に安く収まるため、リフォームの費用がどうしても工面できない場合は、交換のみにとどめておくのが望ましいといえるでしょう。
また、ガス代の節約につながるというメリットもあります。
これに対して浴室のリフォームは、風呂釜交換と比べると大きく費用も時間もかかりますが、その分故障のリスクや頻度が低くなることやお風呂を広く快適に使えるといったメリットがあります。
将来のことも考えてリフォーム費用を工面できる場合は、リフォーム工事を前向きに検討するのもありでしょう。
このようにメリット・デメリットは選択肢によってさまざまです。家庭の経済状況なども鑑みたうえで、自分によって一番よい選択肢を模索することが大切です。
風呂釜の交換を依頼できる業者とは?
風呂釜の交換を依頼できる業者には以下のような種類があげられます。
- 給湯器メーカー
- 給湯器専門業者
ただ、工事を依頼する際には、リフォームすべきかどうかも含めて相談したいと考えている人も多いでしょう。
柔軟な対応に期待したうえで相談したいときは、さまざまな製品・工事の提案ができる給湯器専門業者への依頼を検討していきましょう。
まとめ
風呂釜交換にあたっては、どのような症状・不具合があった際に交換が必要になるのか、あらかじめよく確認しておく必要があります。
また、交換の際にはリフォームもあわせて検討したいという人も多いはずです。
そのようなときは給湯器や風呂釜を取り扱っている販売業者を比較しながら、自分にとって一番の選択肢を検討していくことが重要です。
販売業者も数多く存在するため、相見積をとるなどの比較検討も大事にしていきましょう。
自分自身ですべて進めるのは危険も多いため、迷ったときはぜひ専門家のアドバイスをあおぐことが望ましいです。
おすすめ業者4選
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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