給湯器の水抜きのやり方
給湯器の凍結が起きた際には「水抜き」を行う必要があります。
給湯器の凍結トラブルは外気温が0℃を下回るような寒い日に発生しますが、寒い日にお湯が出ないと困ってしまいます。
そこで、給湯器の水抜きを行う場合の手順やその後の使用方法、注意点などをご紹介します。
給湯器の水抜き手順
給湯器の水抜きの手順は以下のとおりです。
- 1.運転スイッチを切る。その際電源プラグは抜かず、そのままにしておく。
- 2.ガスの元栓と給水の元栓をしっかり閉める。
- 3.浴室、台所、洗面所など給湯器につながる蛇口をすべて開け放す。
- 4.給湯器の給水・給湯水抜き栓を開ける。
- 5.すべての水抜きが完了したら、電源プラグを抜く。
水抜きは、寒い季節に長期間外出するなど給湯器を長い間使用しない場合にも効果的ですので、ぜひ事前に済ませておきましょう。
また、お使いの給湯器によっては、水抜き方法が異なる場合がありますので、取扱説明書をよく読み手順をあらためて確認した上で水抜きを行ってください。
水抜き後使用する方法
水抜きを行った後、再度給湯器を使用する場合は以下の手順で元の状態に戻します。
- 1.給湯器の給水・給湯水抜き栓を閉める。
- 2.室内の蛇口は浴室、台所、洗面所など全部閉める。
- 3.給水元栓を全開にする。
- 4.すべての蛇口から水を出して元のようになっているか確認する。
- 5.給湯器の電源プラグをコンセントに挿す。
- 6.ガス栓を開き、お湯が蛇口から出ることを確認する。
この復旧作業も各給湯器の取扱説明書を参考にしながら進めてください。
水抜きする際の注意点
水抜きする際は必ず室内の蛇口を先に開けてください。
給湯器の水抜き栓を室内の蛇口より先に開けてしまうと、水が勢いよくあふれてしまう場合がありますので、水抜きの順番を逆にしないよう注意しましょう。
また、給湯器を使用した直後は機器が高温になっている場合がありますので、十分冷ました後に作業を始めるとともに、軍手などを使用して手指を保護しながら行いましょう。
もし給湯器が凍結してしまったら
給湯器が凍結してしまった場合、基本的には気温が上がり自然に溶けるのを待ちましょう。
給湯器の運転スイッチを「入」にしていると燃焼する可能性があるため、「切」にしておき、蛇口から水が出るようになっても、給湯器や配管から水漏れがないかよく点検した上で使用を再開してください。
また、どうしてもすぐにお湯を使いたい場合の応急処置としてぬるま湯を使用する方法があります。
給湯器の運転スイッチを「切」にして(スイッチがなければガス栓を閉めて)、室内の蛇口をお湯側に合わせて開けておき、給水元栓を操作してください。この際誤ってガス栓を操作しないように気を付けましょう。
ただし、給水栓が回るが水が出ないという場合は、凍結場所が給水栓以外に考えられるので自然に溶けるのを待つしかありません。
一方で給水栓が回らない場合、給水栓まわりにタオルを巻き、巻いた部分に上から少しずつぬるま湯をかけて凍結部を溶かしていきます。このとき使用するお湯は人肌ほどの温度にしましょう。
元栓が回るようになればタオルを外し、周りについた水分を拭き取りますが、このとき機械やコード類にお湯がかからないよう注意して行いましょう。
この方法はあくまで応急処置であり、やり方を間違えてしまうと機器の破損につながるおそれもありますので注意が必要です。
ちなみに、凍結防止策や対処法についてはこちらの記事に詳しくまとめていますのでぜひ読んでみてください。
>「給湯器の凍結防止策・原因・すぐにできる対処法をご紹介」
凍結を予防する方法
給湯器の凍結予防策としては以下のような方法が挙げられます。
- 蛇口から水を出しっぱなしにする
- 凍結予防ヒーター・自動ポンプ運転を使用する
- 給水配管に保温材を巻く
- 給水配管に凍結防止帯と呼ばれるヒーターを付ける
これらは日頃からできる対策ですので一つずつ詳しくご紹介します。
蛇口から水を出しっぱなしにする
夜間に気温が0℃を下回ると予想される日は、蛇口から少しずつ水を常に出しておくことで給湯器の凍結防止につながります。
水に動きがないと凍結しやすくなり、給湯器が凍るリスクが高まるため、水を常に出して流れを作ることで、給湯器をはじめ配管やバルブ類の凍結予防が可能になります。
この方法は東北や日本海側ではよく使われている防止策で、田舎の家では夜間に少しだけ水を出しっぱなしにしておくことで翌朝、給湯器が凍結しお湯が出なくなるトラブルを回避しています。
天気予報などで夜間の気温が0℃以下になりそうな場合は水を流しっぱなしにし、絶えず流動させておきましょう。
凍結予防ヒーター・自動ポンプ運転を使用する
給湯器の凍結予防ヒーターや自動ポンプを活用することで給湯器の凍結を防止することができます。
凍結予防ヒーターとは給湯器本体に内蔵されたヒーターのことで、外気温が一定以下になると自動で稼働し、給湯器内部の配管をあたため凍結を予防します。
しかしこのヒーターはあくまで給湯器本体を温めるもので、給湯器本体の下につながる配管には効果がないのでその部分は注意が必要です。
また、追い焚き機能付きの風呂釜には、自動ポンプ機能が搭載されており、気温5℃以下で風呂釜に水が溜まっていれば、自動で配管内に水を流して凍結を防ぎます。
つまり、風呂釜の水循環アダプターより上までお湯を溜めておくことで自動ポンプ運転が作動するので冬場はお湯を溜めておくのが良いでしょう。
しかし自動ポンプ運転の機能を使えるのは、風呂と給湯器を接続している追い焚き配管のみですのでこちらも注意が必要です。
給水配管に保温材を巻く
給湯器に繋がる給水配管に保温材を巻くことで凍結を防止できる可能性があります。
引用元:>ズオーデンキ
給湯器本体につながる配管部分は凍結が起こりやすい箇所の一つで、その中でも特に水道水が通る給水管は凍結の可能性が高まります。
つまり、給水管の温度を下げないために、保温材を巻き付けることで、凍結予防になります。
保温材とは一般的に、発泡ポリエチレンと呼ばれる梱包用の発泡スチロールのような素材でできた筒状のものが多く、ホームセンターで手に入ります。
配管を覆うようにして設置し、キャンバステープを巻き付け固定させてください。テープを巻くポイントとして、下から上への方向で貼り付けると雨が流れてきたときに内部への侵入が防げます。
給水配管に凍結防止帯と呼ばれるヒーターを付ける
凍結防止帯と呼ばれる、ひも状のヒーターを配管に沿わせたり巻き付けたりすることで凍結を防ぎます。
引用元:>モノタロウ
凍結防止帯は外気温が一定以下になると通電し、水道管の温度を上昇させます。取付方法は商品によって異なるので、取扱説明書に従い行ってください。
正しい使い方をしないと、水道管の異常加熱などにつながり故障の原因となるので気を付けましょう。
凍結してしまった場合のリスク
給湯器が凍ってしまうとお湯や水が出なくなるのはもちろん、凍結した水は膨張し体積が増えるため、給湯器の配管を圧迫し破損や損傷の原因となります。
給湯器本体で破裂などをすると漏電することもあるので、凍結によりトラブルが起こるリスクは大きいといえます。
また、凍結してしまった場合の対処法として多くの人がやってしまうのが、配管や機器に直接熱湯をかけて溶かそうとすることです。
直接熱湯をかけることで、急激な温度変化に耐えきれずに給湯器本体や配管の破損につながり、事態の悪化を招く恐れがあり、実際に給湯器専門業者も注意喚起を行っています。
“凍結した配管や機器に熱湯をかけるのはやめましょう。
熱湯をかけると、配管や機器が破裂し破損する恐れがあります。
破損するとそこから水漏れが発生し、漏電などの二次被害につながる恐れがあります。”出典:>イースマイル
そのため、お湯を使い無理に溶かそうとせず、時間はかかりますが気温が上がって溶けるのを待つのが安全です。
給湯器の凍結は、外気温が0℃を下回ればどこでも起こる可能性があります。凍結してしまうと配管の破裂など、思わぬ故障につながる可能性もあります。また、凍結による給湯器の故障は、保証期間内であっても対象外になってしまうことが多いです。水抜きをはじめ、凍結リスクがある場合は予防をしっかり行い、給湯器トラブルを防ぎましょう。
まとめ
給湯器の凍結というと、東北地方や日本海側など寒い地方で起こると考えがちです。
しかし寒冷地では寒さへの対策が日々行われているため、トラブルに発展するのは意外と温暖な地域のほうが多いのです。雪国でなくとも、寒波などを原因に凍結が起きるリスクは十分にあります。
給湯器凍結による破損は修理に保証が適用できず、思わぬ出費につながります。冷え込む日には、ここで紹介した水抜きや、水を出したままにするなどの凍結予防策をぜひ実践してください。
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