エコジョーズとは
エコジョーズとは、使用するガスを抑えて効率的にお湯を沸かせる給湯器です。その優れた環境性能・省エネ性能から次世代の給湯器ともいわれています。
従来のガス給湯器は給湯するときに発生する余分な熱はすべて捨ててガスだけを使用していましたが、エコジョーズではこの熱を逃がさず、給湯するためのエネルギーとして再利用します。
引用元:>リンナイ
排気熱によって水があらかじめ温められる分、従来よりも少ないガス量で効率よく給湯でき、光熱費の節約に繋がります。
また、CO2の排出量削減に貢献しており、一般的なガス給湯器からエコジョーズに取り替えると年間で杉の木20本が吸収するCO2と同じ量を削減できるともいわれ、家庭でもかしこく簡単に取り組める省エネ対策として注目されています。
省エネや節約にばかり注目されがちなエコジョーズですが、エコジョーズは水が熱交換器を通った瞬間にお湯に変わるため、「急いでシャワーを浴びたかったのにお湯が出ない!」なんて心配がありません。
ヒートポンプで時間をかけて水を温めるエコキュートと違い、湯切れ知らずの瞬間湯沸かし機能はエコジョーズならではのメリットといえるでしょう。
また、瞬間的に給湯できることからあらかじめお湯を貯めておく必要がないため、従来のガス給湯器やエコキュートと比べてコンパクトです。マンションのベランダなど、限られたスペースでも設置できるのも人気の理由です。
エコジョーズ設置にかかる費用相場
初期コストの相場を知る前に、それぞれのライフスタイルに適したエコジョーズ選びからはじめましょう。
給湯器には性能を表す号数という数字があり、エコジョーズではどのメーカーでも16号/20号/24号の3種類がラインナップされています。
号数の数字は「1分間の給湯量をリットルであらわしたもの」であり、たとえば20号の給湯器であれば1分間に20リットルのお湯を沸かす程度の給湯能力があります。
家庭内での具体的な使用イメージに置き換えると、24号は冬場でも浴室やキッチンといった複数箇所でお湯が使えたり、シャワーの勢いが弱まらずに使えたりと、季節問わず安定してお湯を使うことができます。
特に浴室・キッチン・洗面所などで同時にお湯を使うことも想定しておきたい3人以上の家庭では、24号の給湯能力が必要になるでしょう。
20号は夏場であれば2箇所でお湯が使えるくらいの給湯能力があり、浴室やキッチンなどでお湯を同時に使う機会が少ない二人暮らしに選ばれています。
また、浴室やキッチンのお湯を同時に使うことがない一人暮らしであれば、16号でも十分な湯量を確保できるでしょう。
号数によって同時に使えるお湯の量に制限がかかるエコジョーズですが、それぞれの差額は10,000円前後と意外に小さい割に、どの号数でも壊れやすさや寿命は変わりません。
そのため、年齢とともに家族構成やライフスタイルが変わっても給湯器の使い勝手が変わらないように、余裕のあるスペックを選んでおくことをおすすめします。
本体価格はリンナイ、ノーリツ、パロマといったメーカーによっても異なりますが、次の主な3つの機能の有無によっても変動します。
- 給湯専用
- 追い焚き機能あり
- 追い焚き機能+暖房機能あり
たとえば給湯専用の16号であれば定価16万円から購入できますが、中でも1番人気の追い焚き機能がつくと29万円以上と値段が上がります。
追い焚き機能に加えて暖房機能をつけると36万円以上が相場です。さらに自動たし湯や入浴検知による自動沸き上げができるフルオート仕様にすると、追加で30,000円程度かかります。このように、便利な機能がつけばつくほど値段も上がっていきます。
従来のガス給湯器と比べると40,000円~65,000円程度高くなる傾向にあるエコジョーズですが、本体購入と設置工事のセットで割引されることが一般的です。施工業者にもよりますが60~70%値引きされることも珍しくありませんので、設置の際は専門の業者に依頼したほうがお得です。
続いて、設置工事の費用です。
エコジョーズ本体を購入して自分で設置する方法もありますが、先述したとおり施工業者からの割引を受けられなくなるほか、排水経路がなく設置そのものができなかったというケースもあります。
エコジョーズは熱交換によって内部の配管に溜まった結露を排水させる必要があるため、排水経路の確保が必須です。これらの調査を事前に行わないとせっかく購入したエコジョーズが無駄になってしまう恐れもありますので、最初からきちんとした専門の業者に任せたほうが安心です。
業者に依頼した場合、設置工事費用は30,000円~50,000円程度で、設置環境によってはこれとは別に排水ドレン工事費が発生します。排水ドレン工事とはエコジョーズの配管を排水まで引いてくる作業のことで、費用は5,000円~10,000円が相場です。
エコジョーズはガス給湯器から交換しようとすると本体価格+設置工事費がかかるため、初期コストがデメリットになります。
逆にいえば初期コストがかかっても、優れた省エネ機能によってその後の光熱費、いわゆるランニングコストを継続的に節約することによって、結果的に費用を抑えながら快適にお湯を使えるのがエコジョーズのメリットでもあります。
エコジョーズでどれくらいお得になるの?
ガス給湯器を使用するよりもお得に給湯してくれるエコジョーズですが具体的にどのくらいお得になるのかわからない人も多いため、下記観点から説明します。
- エコジョーズとガス給湯器のガス料金比較
- エコジョーズが初期コストを回収できる年数
ガス給湯器とエコジョーズ、それぞれを使用した場合の費用の違いについてランニングコストを含めてわかりやすく解説します。
エコジョーズとガス給湯器のガス料金比較
エコジョーズは従来のガス給湯器と比べてガスの消費量を10~15%程度抑えることができるため、家庭で支払うガス料金も同じく10~15%程度安くなります。
エコジョーズによって抑えられるガス料金の実際の金額を具体的に説明すると、都市ガスを使用している3~4人家族の場合、ガス給湯器を使用した年間のガス料金は50,000円前後といわれています。これをエコジョーズに切り替えると約44,000円となり、年間で約6,000円近い節約になります。
プロパンガスを使用している地域では都市ガスよりも料金が割高になる傾向にあり、従来のガス給湯器を使用した年間のガス料金は3~4人家族で約82,000円になります。同じようにこれをエコジョーズに切り替えた場合は約71,000円で、年間で10,000円ほどの節約になります。
ちなみに、大阪ガスなどエコジョーズ限定の料金プランを用意しているガス会社と契約すれば、ガス料金をさらに安く抑えられます。
また、エコジョーズで節約できるのはガス料金だけと思われがちですが、使っていないときの消費電力も抑えているため、電気代も省エネ対象になります。
家庭で消費するエネルギー消費の約3分の1を「給湯」が占めるといわれている現在、毎日使うお湯だからこそ、優れた省エネ性能が家計の助けになるといえるでしょう。
エコジョーズが初期コストを回収できる年数
年間で約6,000円以上の節約が見込まれるエコジョーズですが、先述のケースで試算した場合、ガス給湯器をエコジョーズに取り替えることで初期コストをペイしつつガス料金の節約分がプラスになる分岐点は、都市ガスであれば約10年、プロパンガスなら約6年という結果になります。
もちろん実際の使用状況によって損得の分かれ目のタイミングは異なりますので、この試算よりも遥かに早く省エネの恩恵を受けられる可能性は十分にあります。
プロパンガスを使っている地域であれば、エコジョーズを選択したほうが断然お得だと言えますが、都市ガスの場合、損得の分かれ目が給湯器の一般的な寿命である約10年と同じ期間になります。
しかし、給湯器は寿命を超えたら必ず壊れるというわけではなく、エコジョーズの多くは内部の熱交換器の耐腐食性の確保をはじめとしたトラブルの未然防止措置が取られているため、定期的なメンテナンスを行えば20年以上問題なく使い続けられるケースも少なくありません。
設置時に10年間保証サービスを行っている業者もあるので、そういったサービスをうまく活用しながら長期的なメリットを獲得していきましょう。
まとめ
地球環境は大切だけれど、生活が不便になったり家計に余計な負担がかかったりしてしまうと、なかなか積極的に省エネに取り組めない…そんな人にこそ、お財布にも環境にも優しいエコジョーズをおすすめします。
エコジョーズの価格は号数や機能によってはもちろんですが、設置する業者によっても左右します。
初期コストを安く抑えたいあまり悪質な業者に依頼してしまうと、逆に法外な工事費用を請求されたり無資格者にずさんな取り付けをされたりするなどのトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
エコジョーズは費用を抑えて快適さも損なわない次世代の給湯器です。最初から最後まで気持ちよく使うためにも、業者選びは慎重に行ってくださいね。
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※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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