給湯器が故障したときにまずすべきこと
給湯器のリモコンにエラーコードが表示されている場合、コードの内容をもとに原因や故障している場所を明確にしましょう。
エラーコードは数字とアルファベットが組み合わさっており、給湯器でトラブルが起こっていることを知らせるサインです。給湯器のリモコンにエラーコードが出ている場合、どこかが故障している可能性が非常に高いでしょう。
主なエラーコードの原因は以下のとおりです。
- 011:60分以上給湯運転を行った
- 012:60分以上ふろ運転を行った
- 111:点火エラー
- 140:異常過熱
- 888、88:点検を促すサイン
011、012、111は電源を入れ直してみましょう。111の表示が消えないときは、ガス栓が空いているかどうかもチェックします。なお、140は危険なため、すぐに給湯器の使用を中止して業者に連絡することが大切です。
給湯器本体の寿命が近い可能性があるため、突然故障しないように点検を依頼しましょう。ただし、エラーコードの表示内容はメーカーごとに違いがあります。メーカーのウェブサイトもしくは取扱説明書をチェックして、対処法を対処しましょう。
なお、異音や異臭といった明らかな異常がある場合は、給湯器を使用せずガスの元栓を閉めることが大切です。
給湯器によくある故障と対処法
お湯が出ない場合の対処法としては以下が挙げられます。お湯が出ない場合は、症状に合わせて対処しましょう。
- 水は出るがお湯が出ない
- 少しだけ水が出るがお湯にならない
- 熱いお湯は出ない
- お湯がぬるい
症状ごとの対処法を詳しく紹介します。
お湯が出ない
水は出るもののお湯にならず、ほかのガス機器も使用できない場合は、ガスメーターの遮断やガス栓が閉まっている、プロパンガスの場合はガス切れを起こしている可能性が考えられます。
ガスメーターの遮断は、復帰操作を行うだけで対処できます。ガス栓が閉まっている場合も、ガス栓を開けましょう。プロパンガスでガス切れを起こしている場合は、ガス会社に連絡してガス容器を交換する必要があります。
少しの水は出てお湯にならず、リモコンの燃焼ランプが点灯しない場合は、フィルターの目詰まりや給水栓・給水バルブが開いていない、水栓金具が故障しているといったことが考えられます。給水フィルターが目詰まりしている場合には、掃除をしましょう。
また、給水栓や給水バルブが開いていない場合にはしっかりと開きます。水栓金具が壊れている場合は、修理もしくは交換を依頼しましょう。
お湯も水も出ない
一部の蛇口だけ出ない、いくつもの蛇口でお湯もしくは水が出ないなど、症状によって対処法が異なります。一箇所の蛇口のみで水もお湯も出ないという症状が見られる場合は、水栓の故障が考えられます。水栓の交換や修理をしましょう。
また、配管のトラブルやバルブが故障している、配管の一部が凍結しているといった可能性もあるため、点検を行い原因を明確にすることが大切です。
いくつもの蛇口で不具合が起こっている場合は、断水しているか、給水バルブが閉じている給水配管の凍結リモコンのスイッチを入れていないなどが考えられます。断水しているときは、地域の断水に関する情報を確認しましょう。給水バルブが閉まっていた場合は、バルブを開けます。
ひとつの蛇口のみでお湯の温度が安定しない場合は、水栓金具が故障している可能性があるため、金具の修理または交換をしましょう。すべての蛇口でお湯の温度が安定しない場合は、湯器のトラブルが考えられるため、給湯器の点検をしたうえで修理または交換をします。
なお、リンナイの給湯器で「ゆらぎのシャワー機能」を使っている場合は、温度が安定しません。不具合ではないため、使っている給湯器の種類と機能性もチェックしましょう。
お湯の温度が安定しない
一部の蛇口でぬるいお湯しか出ない場合は、水栓金具が故障している可能性があるため、金具の修理や交換をしましょう。すべての蛇口でぬるいお湯しか出ない場合は、給湯器が故障している可能性があるため、修理や交換の依頼をします。
優先切り替え可能なリモコンは、使っているリモコンが優先になっていないと設定温度を変えられません。また、2004年よりも前に作られた給湯器は、「ふろ設定温度」のお湯が出る場合があります。
異音・異臭がする
給湯器を使っているときに異音や異臭がする場合は、臭いの種類や音の種類によって原因や対処法が異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
給湯器を設置した直後から異臭がする
給湯器を設置した際に使う機械油が燃焼する際に混ざることで、異臭が起こる可能性があります。給湯器を設置した直後の油のような臭いは、問題ない可能性が高いです。
ただし、黒煙が出ていたり排気口から白煙が出ていたりする場合には十分に注意が必要です。黒煙は不完全燃焼を起こしているため、すぐに修理もしくは給湯器を交換しなければなりません。
さらに、熱効率も低下しています。煙が出てる状態で使い続けるのは非常に危険なため、すぐに使用を中止しましょう。排気口から白煙が出ている場合、排気ガス中の水蒸気が白く見えている可能性があります。
寒いときに息を吐くと、白くなるのと同じ原理です。問題ないことが多いですが、心配な場合には点検を依頼しましょう。
お酢のような臭いがする
お酢のような臭いがする場合は、給湯器の故障が疑われます。すぐに修理もしくは給湯器を交換しましょう。そのような臭いがするうえに排気口を見ると目が痛む場合は、使い続けるのは危険なため使用を中止します。
ガスの臭いがする
プロパンガスを使っている場合、ガスの残量が低下すると匂い成分によってガス臭いと感じることがあります。ガスの残量が少なくなっている場合は、異常が起こっているわけではありません。
ただし、機械と接続している部分や機械の内部でガス漏れしていることもあるため、点検を依頼すると安心でしょう。
「ピー」という音
「ピー」という音は、ガスと空気のバランスが崩れているとき、ファンモーターと呼ばれるパーツの不具合が挙げられます。交換や修理を検討しましょう。
「ブーン」という音
給湯器の運転スイッチをオン・オフにする、給湯栓を開閉すると、モーター音が鳴ることがあります。再度使う際にスピーディーに点火するため、お湯の温度を安定させるために機械が動いている音です。数分で止まるようであれば、問題ありません。
「キーン」という音
ウォーターハンマー現象が原因になっている可能性が高く、チャッキ弁などの配管内の圧力を低くする装置を使うことで異音がしなくなることがあります。
「ジュージュー」という音
蒸発音は、屋外に設置した追焚専用風呂釜で聞こえることがあります。
燃焼ガスは水分が含まれており、水分が冷たい水が入っている熱交換器に触れることで結露水が出て、結露水が炎で高温になります。高温のお湯が遮熱板に落ちると蒸発音がするため、異常が起こっているわけではありません。
「ピヨピヨ」という音
給湯器の電源が入っていれば、小さい「ピヨピヨ」という音が鳴ることがあります。給湯器の作動音のため、故障ではありません。
「ボン」という音
点火をする際に、「ボン」と小さい爆発音が聞こえ、ガスの臭いがした場合には注意が必要です。給湯器が不完全燃焼を起こしている可能性が高く、ガス漏れをするリスクもあるため修理や給湯器の交換をしなければなりません。
「ウーン」という音
追焚操作が終わった後、お湯を混ぜる際にポンプが回転することがあります。「ウーン」という音はポンプの回転音であり、異常はありません。ふろ予約をした際や、予約時間に残り湯を確認するためにポンプが動きます。また、凍結を防ぐためにポンプが動くこともあります。
「ボコンボコン」という音
風呂釜などで、ボコンボコンという釜が鳴る音がする場合、循環パイプの勾配に問題があるかもしれません。業者に依頼して、点検してもらいましょう。
壁の中から振動音が聞こえる
給湯器の振動が壁伝いに聞こえることがありますが、壁の中から振動音が聞こえて気になる場合にはパッキンを設置する、防振金具を使うといった方法で対処しましょう。
給湯器が故障する原因
給湯器の故障の主な原因は、経年劣化や過度な負担、初期不良です。また、故障の症状としては以下が挙げられます。
- お湯が出ない
- お湯も水も出ない
- お湯の温度が不安定
- 異音・異臭
故障の症状から見る原因を紹介します。
お湯が出ない
給湯器からお湯が出ない場合は、以下のような原因が考えられます。
- 蛇口が故障している
- 水道管が凍結している
- ストレーナー がつまっている
- 電気系統に不具合が起こっている
- ガスの供給トラブル
家庭内すべての蛇口でお湯が出ないわけではなく、1箇所の蛇口だけでお湯が出ない場合は、蛇口の交換をすれば症状が直る可能性があります。また、水道管が凍結してお湯が出ない場合は、凍結した部分を解凍して凍結防止の対策をしましょう。
お湯も水も出ない
お湯も水も出ない場合は、水道管にトラブルが起こっている可能性があるでしょう。
水道管の破裂や凍結、元栓や止水栓の故障も挙げられるため、水道業者に問い合わせる必要があります。しかし、断水していることもあるため、地域の情報もチェックすると良いでしょう。
さらに、電力が供給されていないときにもお湯が出ないことがあります。プラグが抜けていたり電源が入っていなかったり、ブレーカーが落ちていたりと入った可能性が考えられるため、それぞれチェックしましょう。プラグやブレーカー、電源などを確認してもお湯が出ない場合は、基板が故障していることがあります。
また、給湯器の水抜き栓フィルターのストレーナーが詰まっていると、お湯が出ません。ストレーナーを水で洗って、お湯が出るかどうか確認しましょう。ガス供給のトラブルが起こっている場合は、元栓が開いているかチェックします。長時間使用していたり、災害が起こったりすると安全装置が作動するため、自動でガスが供給されなくなります。
ガスメーターを確認して、稼働しているかどうかも確認する必要があるでしょう。
お湯の温度が安定しない
温度が安定しないときは、給湯器が故障していることがあります。しかし、給湯器本体に問題があるわけではない可能性も考えられるでしょう。給湯器の故障以外でお湯の温度が不安定な原因としては、以下が考えられます。
- 冷水サンドイッチ現象
- 混合栓の故障
- 水圧の変化
給湯器の機種や自宅のお湯の使い方によって原因が変わるため、それぞれ見ていきましょう。
冷水サンドイッチ現象
冷水サンドイッチ現象とは、お湯を止めてから再度お湯を出すときに、お湯→水→お湯の順で出るため、お湯の温度が安定しないと感じる現象です。お湯を出した際にバーナーの燃焼よりも早く水が出ることによって、途中で水が出てお湯でサンドイッチした状態になります。
残った夜と新しく生成したお湯の間に水が通るため、お湯の温度が不安定だと感じますが、少しお湯を出しておけば温度は安定します。
混合栓の不具合
混合栓が故障すると、お湯の温度が低くなります。例えば、お湯の温度を調整する部品の「温度調整ユニット」が壊れているといったケースです。温度調整ユニットが壊れていると、お湯の温度がコントロールできなくなるため、パーツを交換する必要があります。
水圧の変化
いくつもの場所でお湯と水を使用すると、水圧が変わります。例えば、お風呂とキッチンで同時にお湯を使うといったことが挙げられます。
水圧の変化で水とお湯の混合具合が変化するため、お湯の温度が安定しなくなるでしょう。シャワーを使用しているときにキッチンでお湯を使うと、シャワーのお湯の温度が下がるなどです。
特に、給湯器の号数が低い場合、水圧の変化でお湯の温度が不安定になります。複数箇所で同時にお湯を使わないことや、給湯器の号数を上げることも検討しましょう。
異音・異臭がする
異音や異臭がする場合、どのような症状なのかによって故障しているのか、故障ではないかが異なります。
異音がする場合
異音は、どのような音なのかによって故障しているかどうかが変わります。次のような音は給湯器が故障している確率が高いでしょう。
- ピー、ヒュー
- ボンボン
- ボコボコ
- ゴー
給湯器のメンテナンスを行っても異音がなっている場合は、業者に修理を依頼する必要があります。放置していると、吸排気にトラブルが起こり危険なため注意しましょう。
異臭がする場合
プロパンガスを使っているときに、ガスボンベからガスの供給量が減ることによってガス臭いと感じることがあります。プロパンガスからは臭いが発生しませんが、ガス漏れが起こった際にガスに臭いをつけているためです。
プロパンガスの残量が減ると、残っている匂い成分がガスとともに排出されるため、臭いがします。しかし、ガス漏れが起こっていることもあるため、異臭がしたときは自己判断するよりも業者に相談するのがおすすめです。
給湯器の故障を防ぐために気を付けること
給湯器を修理する場合、想定以上の費用がかかったり、1週間程度お湯を使えなかったりといったことも起こります。生活に支障が出ないよう、給湯器の故障を予防しましょう。給湯器が故障しないように、次のような点に注意が必要です。
- 定期的にメンテナンスする
- 入浴剤の使用を控える
- 給湯器周辺に物を置かない
- 家族の人数に適した給湯器を使用する
- 寒い時期は凍結対策をする
それぞれ詳しく紹介します。
定期的なメンテナンスや掃除を心がける
お風呂掃除をする際には、洗剤、水垢や石鹸の成分をしっかりと洗い流す必要があります。洗い流さなければ、配管内に汚れが溜まってしまいます。お風呂の掃除をした後は湯船にお湯をはって、そのまま流すのがおすすめです。
また、循環口、排気口の周りも掃除をしたうえで、不具合が起こっていなかったとしても定期点検をするのが良いでしょう。
入浴剤はメーカーで認められているものを
お風呂に入る際、入浴剤を使っていると給湯器の寿命が短くなることがあります。入浴剤は塩分や硫黄 といった金属に負担がかかる成分が含まれている商品が多いため、給湯器の配管の劣化が進むことがあります。
炭酸成分が配合されている入浴剤は熱交換器を劣化させ、お湯が濁るタイプの入浴剤の成分は配管の内部に溜まるため、給湯器の効率が低下するでしょう。給湯器を長期間使うためには、入浴剤の使用は控えるか、メーカーが指定している入浴剤を使用することが大切です。
給湯器の周辺に物を置かない
給湯器は屋外に設置するものが多いため、雨や風の影響を受けにくい造りになっています。しかし、排気口の前に物を置くとしっかりと排熱や排気ができなくなり、不完全燃焼を起こし非常に危険なため注意しましょう。
不完全燃焼といった事故や不完全燃焼や故障を予防するためにも、給湯器周辺には物を置かないことが大切です。
家族の人数に適した給湯器を使用する
給湯器は、家族の人数ごとに適した号数(サイズ)が異なります。適切な号数の給湯器を使うことによって、給湯器への負担が軽減され、故障の予防や寿命を延ばせる可能性もあるでしょう。家族の人数ごとの号数は以下の通りです。
- 16号:1人
- 20号:2~3人
- 24号:3~4人
あくまでも目安のため、お湯を使用する量も合わせて検討しましょう。
冬は凍結対策をする
給湯器は、配管内部に残った水が凍結するとお湯が出なくなります。水が凍ると体積が増え、配管が破裂する可能性もあるため、十分に注意が必要です。配管が破裂すると漏電や水漏れが起こり大変危険なため、冬場は凍結対策をしましょう。
まとめ
給湯器の故障原因は、長期間使っていることによる劣化、号数が家庭に合っていないことによる過度な負担、初期不良などが挙げられます。しかし、故障箇所を確認しなければ詳しい原因は分からないため、エラーコードが出ている場合はコードから故障原因を探ることが大切です。
原因不明、かつ長期間異音や異臭がしていると危険なため、少しでも不安なときには専門業者に点検と修理を依頼しましょう。
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